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初期研修プログラム概要

勤医協中央病院 初期臨床研修プログラム

2016年1月

当院の理念・特色と30年以上にわたる医師養成の歴史と経験

 当院は、札幌市北東部の東区(人口25万8000人)に位置し、1975年の開院以来、各種指定を受けるなど地域の二次医療機関としての役割を果たしてきた。また、北海道勤労者医療協会(北海道勤医協)の病院・診療所、介護・在宅関連施設のネットワークの中で特に急性期の医療を提供する病院として中心的な役割を担っており、予防からリハビリ、在宅まで、患者の立場にたった医療実践と全職種参加による集団医療を追求している。

2004年当院は、病院の理念として「安全・安心で納得のいく医療・福祉をすすめる」「地域・友の会とともに健康で住みやすい街づくりをめざす」「互いに学び成長する職場づくりに努力する」という「医療・福祉宣言」を内外に発表し、民医連綱領の実現とあわせて職員の医療活動・実践の柱としている。「患者の権利」「医療倫理」を基本にすえた医療実践をすすめている。

医師養成においては、30年以上前から北海道民主医療機関連合会(北海道民医連)として研修要綱(研修プログラム)を持ち、実践と改定の中で充実をはかってきた。その経験から今後の医師研修に引き継ぐべきこととして以下の5点を大切にしている。

  1. 患者や地域の医療要求に応えることを研修の出発点とし、民医連の医師としての成長と、総合的な医療・技術の蓄積に努力してきた。地域の実態や医療要求に触れ、自分たちの医療が検証される機会として患者・地域住民が参加する友の会との関わりを重視していること。
  2. 患者やスタッフとともに成長し、チーム医療のリーダーとしての組織性を育むこと。
  3. 多くの医師が1年以上の診療所研修を経験してきたこと。研修医が地域の医療を守る意識を他職種もふくめ集団的に共有し、もっとも身近な患者や地域の要求に応えるなど、民主的なチーム医療や「共同の営み」としての医療実践を経験していること。
  4. 研修医みずからが研修の充実に努め、同時に研修医の自主性や主体性を尊重してきたこと。青年医師の会や研修世代での議論や意見・提案をつねに研修要綱に反映していること。
  5. 北海道民医連の医師研修に欠かせない諸要素を、研修7課題(技術研修、疾病を生活と労働の場からとらえる、民主的集団医療のリーダーとしての成長、学術・研修、組織運営・経営管理、医療変革の追求、民医連運動の推進者としての成長)としてまとめ上げて実践してきたこと。また、病院・診療所ごとに他職種が参加する研修委員会を確立し、医師研修をささえてきたこと。

 臨床研修必修化に先駆けて2000年に行われた研修要綱改定では、基本的、総合的な診療能力の発展をめざし、求められる医師像を明らかにして研修内容の見直しをおこなった。とくに初期研修の2年間については所属科に関係なく、各分野のプライマリケア領域を、各科・各グループのローテーションや共通カリキュラムの中で研修・指導する方式とした。指導医と研修医が、研修に対する要望や総合性について十分に議論し、個別性やゆとりを持ったカリキュラムにすることについても重視してきた。

2002年から総合診療病棟を開設し、研修指導体制の強化を行い、2004年から卒後臨床研修必修化にも対応し、国内有数の総合診療病棟として60床程度を運用し、延べ100名近い研修医を受け入れて研修を行ってきた。

さらに本プログラムの検討にあたっては、研修医が適切な指導体制のもとで、医師としての人格を涵養(かんよう)し、プライマリ・ケアを中心に幅広く医師としての必要な診療能力を身につけることを重視している。

勤医協中央病院初期臨床研修プログラムの理念・基本方針

 このプログラムは、初期研修医が2年間で身につけるべき基本的な臨床能力を習得するとともに、日本国憲法の理念に基づく人権と民主主義を尊重した倫理観・医療観を身につけ、医療の安全性を尊重しながら人間性あふれる臨床医として育つことを目的とする。また、多様化している住民の医療要求にこたえ、急性期の医療から介護の分野までを担える総合的力量をもち、第一線医療の充実につとめる態度を身につけることを目的とする。さらに、初期研修終了後も生涯教育を自ら実践することが求められるため、自己主導的学習者へ初期研修医が成長することを重視している。理念・基本方針は以下の5項目にまとめることができる。

  • 民主的な集団医療の実践を通じて、人間の尊厳および権利を尊重できる医療人を育成する。
  • すべての医師に必要な基本的診療能力を身につけた医師を育成する。
  • 地域医療の現状を理解し、医療の社会的役割を考えられる医師を育てる。
  • 初期臨床研修を通して、プロフェッショナリズム(医師が医師としてあるべき姿)を意識し行動できる医師を育てる。
  • 初期臨床研修を通して自己主導的学習者への成長を促す。

 

臨床研修の目標

(1)当院では初期研修(2年間)の一般目標(GIO)として以下を掲げている。
 A.人権を守る基本的、総合的な診療能力(主治医能力)を獲得する。
  1)患者さんを身体的、精神心理的、および社会的側面から全人的に理解し、患者さんや家族と医療の目標を共有する。
  2)総合性を重視した、医学・医療の基本的な知識・技能を習得する。
  3)一人ひとりの患者さんに応じて問題解決を指向する視点を獲得する。
 B.患者さんの立場に立つ民主的集団医療を実践する能力を獲得する。
 C.医療の社会性を学び、医師の社会的役割を自覚し、医療変革を追求する視点を獲得する
 D.自己主導的学習者として、省察(reflection)しながら学習を実践することができる。

(2)具体的には以下の行動目標(SBOs)をもって研修をすすめる。
 A.人権を守る基本的、総合的な診療能力(主治医能力)を獲得する
  A-1 患者さんや家族と良好な信頼関係をつくることができる
  A-2 基本的な診察ができる(医療面接、身体診察法、神経学的診察法など)
  A-3 診療計画を立て、評価ができる(問題リスト、診療計画、入退院の判断など)   
  A-4 基本的な検査について、その適応を述べ、指示し、実施できる(検尿、便潜血、血液型、血液検査、心電図、動脈血ガス分析、髄液検査、X線検査、内視鏡検査、超音波検査など)   
  A-5 個々の症例に応じた基本的な治療に関し述べることができる(薬物療法、輸液、輸血、食事療法、経管栄養、運動療法、日常生活など)   
  A-6 基本的な手技が適切にできる(気道確保、挿管、注射、central line確保、採血、穿刺、導尿、浣腸、軽度の外傷・熱傷の処置など)   
  A-7 基本的な救急処置ができる(バイタルサイン、心肺蘇生、初期治療、スタッフの統率、専門医へのコンサルト・依頼など)   
  A-8 予防医学の必要性、方法を述べることができる(食事、運動、禁煙、アルコール、健診など)   
  A-9 基本的なターミナルケアについて述べることができる(告知、緩和医療、心理社会的側面、剖検等)   
  A-10 在宅医療、高齢者医療、障害者医療、往診、介護保険などについてその基本を述べることができる   
  A-11 診療記録を適切に扱うことができる(診療録、処方箋、指示箋、指示簿、診断書、診療情報提供書、守秘義務、サマリー、カルテ開示など)   
  A-12 文献検索法や簡単な症例報告ができる( UpToDate, Dynamed, PubMed、学会発表など)  
  A-13 医局会議や病棟運営会議に参加し医療経営や組織運営の基本について理解できる   
  A-14 医療の安全性について述べることができる。
 B.患者さんの立場に立つ民主的集団医療を実践する能力を獲得する
  B-1チーム医療について理解できる(医師集団、他職種、在宅医療との連携、他施設への紹介など)
  B-2 カンファレンスで他職種の意見を聞き、問題解決する視点でイニシアティブをとれる   
  B-3 他職種の役割や業務の流れを理解できる(業務体験、多職種カンファレンスなど)
 C.医療の社会性を学び、医師の社会的役割を自覚し、医療変革を追求する視点を獲得
  C-1 医療の社会的側面について理解できる(医療保険、地域の保健医療、医の倫理、医療事故)   
  C-2 所属する院所の地域での役割が理解できる   
  C-3 社会保障を充実させる運動について理解し参加できる   
  C-4 研修委員会や研修医の会議に自ら研修を充実させる立場で参加できる   
  C-5 後継者対策について理解できる(院内医学生委員会、学生実習担当)
 D.自己主導的学習者として生涯学習を実践することができる。
  D-1 自らの目標・学習課題を適切に設定することが出来る。
  D-2 適切に自己評価することが出来る。
  D-3 振り返りの場に積極的に参加し、自己開示を行い、他者からの評価を受け入れ、行動変容が出来る。

(2)学習方略(LS)
 各科のローテーション研修を基本とする。各科ローテーション研修では、指導医または上級医と一緒に診療を行い、上記行動目標(SBO)のほとんどを経験する。(研修プログラムの詳細は4.(2)に記載している。)
 共通のカリキュラムとしては、2年間継続して行われるレクチャー・カンファレンス(コアレクチャー、ヒヤリハットカンファレンス、リエゾンカンファレンス、Significant event analysis、臨床病理カンファレンスなど)の他に、1年次4月のオリエンテーション、2年次のレジデント・デイズがある。オリエンテーションでは、研修を行う上で必要な知識・技術を習得する。レジデント・デイズでは、レクチャーやグループワークによってEBM(evidence-based medicine)を利用した問題解決方法を学び、地域医療を考える講演・グループディスカッションを通して医療の社会性を学ぶ。
 初期研修医はこれらのカリキュラム以外に、院内横断的な委員会活動のうち少なくともひとつに参加し、初期臨床研修の2年間継続して委員会活動に関わる。月1回初期研修医が集まり、研修プログラム責任者および副責任者を交えた1ヶ月の振り返りのセッションを行っている。

(3)評価(Ev)
 各科ローテーション毎の360度評価を基本とする。初期研修医自身に自己評価をさせ、指導医評価や多職種評価の結果をフィードバックすることによって、適切な自己評価を促し、さらなる目標設定を本人に促す。これら一連の評価・フィードバックは形成的評価として、指導医との面談の中で行われる。
 初期研修2年次の4月に、模擬患者に対する臨床技能評価(modified mini-clinical evaluation exercise:modified mini-CEX)を行う。指導医2名による評価・フィードバックを行い、自己評価との比較と今後の学習課題の作成をさせる。
 総括的評価は2年間の研修の最後に、研修管理委員会で行う。過去の評価結果、経験目標の到達度、レポート作成などを総合的に評価する。

臨床研修プログラムおよび責任者

(1)研修プログラム責任者・副責任者
  責任者 :臺野 巧  勤医協中央病院 内科科長 総合診療センター長
  副責任者:松本 巧  勤医協中央病院 内科医長 運動器リウマチ副センター長
  副責任者:松浦武志  勤医協中央病院 内科医長

(2)研修プログラム
  1年次の4月はオリエンテーション、以降のローテートプログラムは、内科は6ヶ月を必修とし、うち2ヶ月以上を総合診療科とする。希望すれば、自由選択期間で、総合診療科以外の内科分野を選択できる。
 救急研修3ヶ月のうち1ヶ月相当期間は、救急当直研修を週1回×32週を1年次(1年次8月~3月)に行う。麻酔科を選択し、救急研修を行うこともできる。
 地域医療研修は1ヶ月以上とし、2年次に行う。 選択必修は、外科3ヵ月(整形外科1ヶ月含む)、麻酔科1ヶ月、産婦人科1ヶ月、小児科1ヶ月、精神科1ヶ月から2科目以上を選択する。
  選択必修科以外に、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、血液内科、腎臓内科、膠原病、耳鼻科、 泌尿器科、病理科、緩和ケア、眼科、皮膚科、検査(エコー、細菌検査等)等がある

 また、北海道大学病院(協力型病院)での短期間ローテート研修も可能である。
  北海道大学病院 短期間ローテート研修科
  神経内科、皮膚科、泌尿器科、脳神経外科

研修ローテートの例             *これは一例であり研修科ローテ順は不同である。


(3)指導医・指導者
 指導医は7年以上の臨床経験を有し、指導医講習会を受講した医師が担う。 指導医は研修規定に従って当該領域の研修指導を行うとともに、 初期研修医の身体的・精神的変化にも気を配り、問題の早期発見に努め、プログラム責任者および副責任者と協力して対策を行う。 指導医以外の上級医も初期研修医の指導に関わることが求められる。 指導医―上級医―初期研修医、といった屋根瓦式の指導体制を目指す。
 看護師・検査技師・放射線技師・リハビリ技師・薬剤師など多職種が、指導者として初期研修医の指導に関わる。

オリエンテーションおよび各科研修の目標・Minimum Requirement

(1)オリエンテーション  

 オリエンテーションでは、病院の紹介(理念や歴史をふくむ)や民医連内の施設見学、研修プログラムについてのガイダンス、模擬入院患者体験、高齢者介護体験実習(施設、在宅)、看護体験、地域健康相談会での啓蒙活動などの体験型実習が中心となる。臨床に出る上で必要なカルテの書き方、面接技法、医療安全などについても講義・ロールプレイ・ハンズオン・グループワークなどの形式でおこなう。
 4月中旬以降から各科でのローテーションを開始するが、それぞれの科毎でもオリエンテーションをおこなう。
 総合診療病棟(内科)では、医療面接や身体診察法、レントゲン写真や検査所見の見方、各種指示箋や処方箋の書き方、コンサルテーションの方法、各種診断書の記載など、診療に関する諸基準など臨床に必要な基礎的知識、医師患者関係をはじめ医師として必要な態度を習得する。
 なお、総合診療病棟は「屋根がわら」方式の研修指導体制をとっており、つねに2年目の研修医やシニアレジデントが身近にいる環境で研修ができる。

 【研修施設】勤医協中央病院


(2)内 科

総合診療をはじめ循環器、呼吸器、消化器、腎臓、リウマチ膠原病、血液、代謝・内分泌、緩和ケア、脳卒中などの専門病棟での研修と外来研修をおこなう。
【目標】

 内科には総合診療をはじめとするさまざまな専門グループがあるが、以下を内科共通の目標とする。
 a. SOAP方式に則って適切にカルテ記載が出来る。
 b. 患者を担当した当日に適切にアセスメントと初期プランを立て、指示出し及びカルテ記載を行うことが出来る。
 c. 指導医に適切に報告・連絡し、患者マネジメントプランを立てて、それを実行することが出来る。
 d. 担当した患者の退院時要約を適切にかつ遅滞なく作成することが出来る。
 e. 患者および家族と良好で治療的な関係を構築することが出来る。
 f. コメディカルと適切にコミュニケーションを取ることが出来る。
 g. 院内・病棟のルールを理解し、それを遵守することが出来る。

 さらに各内科専門グループの研修において以下を経験することを目標とする。
 ①複数の臓器が原因となりうる頻度の高い症状についての病態生理と鑑別診断
 ②内科のcommon disease(高血圧症、虚血性心疾患、糖尿病、気管支喘息、慢性呼吸不全、慢性心不全、慢性腎不全、
  甲状腺機能異常、胃十二指腸潰瘍、慢性肝疾患、貧血症、慢性関節リウマチ、パーキンソン症候群、脳血管障害、悪性腫瘍)

【方略】
 病棟および外来で指導医・上級医とともに診療を行う。病棟における多職種カンファレンスに参加する。
 指導医・上級医の支援のもと、患者家族への病状説明、インフォームド・コンセントを行う。

【評価】
 360度評価
 modified mini-clinical evaluation exercise (modified mini-CEX)

【研修施設/6ヵ月】
  勤医協中央病院、勤医協札幌病院、勤医協西区病院、勤医協苫小牧病院、
  道東勤医協釧路協立病院、道北勤医協一条通病院、道南勤医協函館稜北病院(協力型病院)、
  勤医協伏古10条クリニック、勤医協月寒ファミリークリニック、十勝勤医協帯広病院、オホーツク勤医協北見病院(研修協力施設


  【指導医】
 
勤医協中央病院 田村裕昭、高木秀雄、鈴木隆司、古山準一、入宇田智子、臺野巧、 中野亮司、松本巧、桂川高雄、森園竜太郎、石田浩之、川口篤也 剱持喜之、奥山道記 、河野龍平、郡司尚玲、石原敏道、松浦武志 湯野暁子、伊古田明美、和田耕一、菅藤賢治、舟越功、川畑恵
勤医協札幌病院 尾形和泰、佐藤健太
勤医協西区病院 今津純夫
勤医協苫小牧病院 宮崎有広、伊賀勝康、菊地憲孝
道東勤医協釧路協立病院 .
道北勤医協一条通病院 .
道南勤医協函館稜北病院 佐々木悟、横倉基、堀口信
勤医協伏古10条クリニック 伊志嶺篤
勤医協月寒ファミリークリニック 塩原康弘、泉京子
十勝勤医協帯広病院 瀬川高志
オホーツク勤医協北見病院 富田薫

(3)外 科
  【一般目標(GIO)】
   ①一般外科診療における外科診断技術を修得する。
   ②外科の基礎的問題解決に必要な基礎的知識を理解する。
   ③医の倫理に配慮し外科診療を行う上で適切な態度と習慣を身につける。
   ④学習をおこなうための方略の基本を修得する。


  【行動目標(SBOs)】
   ①外科に必要な基礎知識を理解し臨床応用できる(局所解剖、外傷患者に対する輸液、輸血、出血傾向の鑑別、必要な熱量の計算と経腸、経静脈の投与管理、侵襲と生体反応、抗生物質の選択、創傷治癒の基本、レスピレーターの基本的な管理、SIRSとMOFの理解)  
   ②外科診療に必要な検査処置の習熟(レントゲン検査・CT・MRIの読影、各種造影検査と読影、呼吸機能検査と結果解釈、周術期管理)  
   ③医の倫理に基づいた態度と習慣を身につける(適切なインフォームドコンセント、患者・家族のニーズ把握、守秘義務、プライバシーへの配慮、保健医療の理解と適切な診療)
   ④問題対応能力を修得する(カンファレンス、研究会への参加、資料や文献の検索、適切なタイミングでのコンサルト)  
   ⑤診療およびチーム医療を身につける(スタッフとのコミュニケーション、他医療機関との情報交換、症例呈示、入退院の適応判断、診療計画の作成、クリニカルパスの活用、診療録のPOS記載、処方箋・診断書の記載)
   ⑥安全管理ができる(医療現場での安全確認、事故後の対応、院内感染対策)   
   ⑦医療面接ができる(コミュニケーションスキル、病歴の聴取と記録、患者・家族へ適切な指示・指導)
 
【経験すべき診察法、検査、手技】
   ①診察法(腹膜炎における腹膜刺激症状、反跳痛、イレウスの腹部所見)
   ②検査(動脈血ガス分析、内視鏡検査、胃と大腸の造影検査)
   ③手技(腰椎・胸腔・腹腔の穿刺、中心静脈カテ挿入、ドレーンチューブ類の管理、イレウス管・胃管の挿入と管理、
    局所麻酔、創部消毒とガーゼ交換、簡単な切開排膿、皮膚切開・縫合・結紮、軽度の外傷処置、輸血・輸液の
    指示)  
【方略】
   病棟・外来・手術室で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   360度評価

【研修施設/2ヵ月】勤医協中央病院、道東勤医協釧路協立病院

 【指導医】
 
勤医協中央病院 河島秀昭、松毛真一、樫山基矢、吉田信、田尾嘉浩、高梨節二、後藤 剛
道東勤医協釧路協立病院 上記指導医がローテーションで配置となっている

(4)整形外科
  外来研修では診察の補助をしながら検査や処置等の手技を経験し、レントゲン写真の読影をおこなう。救急災害当番に参加し外傷の対応を学びながら簡単な処置をおこなう。手術室研修では、清潔操作を身につけ、創の縫合をおこなう。病棟研修では入院患者を担当する
【一般目標(GIO)】
   ①急性期の整形外科疾患の初期対応を身につける。
【行動目標(SBOs)】
   ①患者さんの訴えを聞くことができる。(態度)
   ②外傷の初期対応ができる。(技能)
   ③腰椎、膝の基本的診察ができる。(技能)
   ④単純な裂・挫創の処置ができる。(技能)
   ⑤入院患者様の担当医として対応できる。

【方略】
   病棟・外来・手術室で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   360度評価

【研修施設/1か月】勤医協中央病院、勤医協苫小牧病院

 【指導医】
 
勤医協中央病院 堺慎、大川匡、柴田定、浅岡隆浩、中田幸夫
勤医協苫小牧病院 .

(5)脳神経外科
 【一般目標(GIO)】
   ①一般臨床医として要求される脳神経疾患の最低限の知識・診断・救急対応について身につけることを目標とする。
 【行動目標(SBOs)】(期間により研修内容は異なる)
   ①脳神経外科主要疾患を理解し、神経学的診察法を修得する。
   ②脳の画像診断:CT/MRI/RIの読影をおこない、基本的な脳神経疾患についてはある程度診断ができる。
   ③神経系救急病態への対応を修得する。(片麻痺、頭痛、痙攣発作、頭部打撲、意識障害の鑑別)
   ④主たる脳血管障害(脳梗塞、脳出血、SAH)について基礎知識を学び、ある程度治療方針を出すことができる(外科的治療の適否の判断)。および保存的治療の基本を修得する。
   ⑤基礎的治療手技の修得:Seldinger法の基礎、腰椎穿刺、IVH挿入、気管切開、縫合手技など。
   ⑥脳外科手術の見学。数例の経験の後、穿頭術は指導医のもとで執刀できる。

【方略】
   病棟・外来・手術室で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   360度評価

【研修施設/1ヵ月】北海道大学病院(協力型病院)

 【指導医】
 
北海道大学病院 寺坂俊介

(6)麻酔科
 麻酔科に関連したプライマリケアの基礎的手技、対応の仕方、考え方を身につけることを目的とする。ローテーション期間中に担当する麻酔件数は40~60件。術前・術後回診、手術予定患者のカンファランス、ICU入室患者のカンファランスや管理をおこなう。
  行動目標(SBOs)
   ①基本的気道確保・人工呼吸の手技ができる(バックアンドマスク、気管内挿管、ラリンゲアルマスク)
   ②急激な血圧変動に対する考え方・対応ができる(血圧低下時、血圧上昇時)
   ③ショックへの対応ができる(輸液のしかた、昇圧薬の使いかた)
   ④静脈路確保ができる(末梢静脈路、外頚静脈路、中心静脈路・内頚静脈・鼠径静脈・鎖骨下静脈)
   ⑤動脈圧モニターができる(重加圧モニターのセットアップ)
   ⑥短時間で変化する患者の循環動態管理ができる(全身麻酔の術中管理、イレウス患者の輸液管理など)
   ⑦基本的な人工呼吸器のとりあつかいができる(適応基準、基本的設定、装着患者の管理)

【方略】
   手術室・病棟・ICUで指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   360度評価

 【研修施設/1ヵ月】勤医協中央病院、勤医協札幌病院

 【指導医】

勤医協中央病院 高桑良平、盛永直樹、古明地恭子、大方直樹、稲葉和紀子
勤医協札幌病院 林泉

(7)救急科
  日中は救急外来にて診療をおこない、入院発生時には指示出しなどの初期対応をおこなう。数床の管理病棟をもっており、入院患者の治療を担当することができる。週に一度、症例検討をおこない、月に一度、BLS・ACLSの講習会をおこなう。
  【一般目標(GIO)】
   ①救急外来診療を通じて、プライマリケアにおける診断・初療の実際を学ぶ。
   ②救急救命におけるBLS、ACLSを修得し、指導者として啓蒙活動ができるようになる。
  【行動目標(SBOs)】
   ①救急患者に対する問診、診察が適切におこなえる。
   ②初期対応、検査の計画を立てられる。
   ③プライマリケアに必要な検査・治療手技をおこなえる。
   ④研修終了時までにBLS、ACLSを修得し、講師として他の職員の教育をおこなう。
   ⑤研修終了時に院内救急症例検討会(1例)をおこなう。

【方略】
   救急車で来院した患者の初期対応・初期診療を指導医・上級医とともに行う。

【評価】
   360度評価

 【研修施設/3ヵ月】勤医協中央病院  
 
 【指導医】  

勤医協中央病院 田口大、石田浩之

(8)小児科
  小児科医の指導のもと、外来での診療、病棟での担当医研修、症例検討などをおこなう。
  【一般目標(GIO)】
   ①小児の年齢に応じた症候と特殊性を理解し、基本的な一次対応ができるとともに小児科医にコンサルトすべき
     状態を把握できる。
  【行動目標(SBOs)】
   ①小児の成長・発達の経過の個体差と健常範囲を理解し、各年齢のおおまかな評価ができる。乳児、幼児の身体発育(身長・体重・頭囲、栄養状態)、運動および精神発達    のおおまかな理解と評価ができる。
   ②小児(とくに新生児や乳児)の生理機能の特徴を理解する。新生児期・乳児期・幼児期の体温調節、体液調節、免疫能、呼吸・循環機能、消化・吸収機能、造血機能の    特性(特に成人に比べて予備力が少ないこと)を理解できる。また正常新生児の状態を理解できる。
   ③小児の身体所見の特徴を理解したうえで年齢に応じた診察ができ、病的状態を評価できる。全身状態、目、鼻・耳、口腔、咽頭・扁桃、頚部、甲状腺、胸部、腹部、鼠径・    外性器・肛門、皮膚・その他、神経。
   ④小児のCommon diseaseの基本的な病態を理解する。 外来で経験すべき疾患は以下の通り。 感染症 a)ウイルス性:麻疹、風疹、水痘、ムンプス、インフルエンザ、    単純ヘルペス感染症、突発性発疹症、手足口病、ヘルパンギーナ、伝染性紅斑 b)細菌性:百日咳、溶連菌、ブドウ球菌感染症、中耳炎、副鼻腔炎、扁桃腺炎、尿路感    染症、皮膚感染症など 消化器疾患:感染性胃腸炎・急性虫垂炎・腸重積・便秘・ヘルニア 呼吸器疾患:気管支炎・仮性クループ・肺炎・気管支喘息 循環器疾患:川崎    病・不整脈・起立性調節障害 神経・精神疾患:てんかん・熱性けいれん・心因性疾患・脳炎・脳症・髄膜炎 アレルギー・免疫:アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・血管性紫斑病 内    分泌・代謝:アセトン血性嘔吐症・低身長・肥満 腎疾患:ネフローゼ症候群・急性腎炎(血尿・蛋白尿の鑑別として) 事故・中毒:誤飲・肘内障・頭部打撲・熱傷  病棟で経    験すべき疾患は以下の通り。 急性感染症(肺炎・急性細気管支炎)、急性胃腸炎(脱水)、髄膜炎、喘息発作など
   ⑤検査(採血・腰椎穿刺などの検査手技、レントゲンなど)の適応と結果の評価ができる。
    血液一般・生化学検査、尿検査、髄液検査における年齢による生理的な変動を理解する。
    胸部レントゲン:正常胸腺陰影、各種浸潤影、過膨張所見、喉頭声門下狭窄影など。
    腹部レントゲン:正常ガス像と異常なガス像(拡張、偏位)の鑑別。
   ⑥小児の薬物療法を理解し、適切に使用できる。
   ⑦輸液の適応を判断し、症例に応じて実施ができる。
   ⑧小児の基本的な検査や治療手技の適応を理解し、症例に応じて実施できる。
   ⑨エマージェンシーに対しての理解を深める。心呼吸停止、痙攣重積、呼吸不全など。
   ⑩健康児のよくある育児上の相談事を理解する。その問題の背景にある保育、学校、家庭、環境に理解・配慮し、地域との連携に参画できる。(便秘、夜泣き、夜尿、食が細    い、指しゃぶり、母乳に関すること、反復性腹痛、起立性調節障害、不登校など)
   ⑪虐待について理解を深める。
   ⑫ワクチンの接種時期、副作用などについて理解する。また伝染性疾患の集団生活における注意事項を理解する。
   ⑬小児の各発達段階における心理社会的側面への配慮をしながら診療する。また、本人および家族 との信頼関係を結び、良好なコミュニケーションをとる。

【方略】
   外来・病棟で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】勤医協札幌病院、勤医協菊水こども診療所(研修協力施設)

 【指導医】

勤医協札幌病院 久保田知樹
勤医協菊水こども診療所 岡田靖

(9)産婦人科
【一般目標(GIO)】
  ①一般臨床医として必要な産婦人科疾患に関する知識と対応能力を身につける。
  ②具体的には、産婦人科の緊急対応(急性腹症)を要する疾患を見逃さず最小限の対応ができる。
  ③妊娠可能年齢の女性患者に関する注意点を身につける。
  ④中・高年女性の特徴を理解できる。
 【行動目標(SBOs)】
  ①妊娠の診断を早期に的確におこなえる。
  ②急性腹症(子宮外妊娠、卵巣腫瘍茎捻転、骨盤腹膜炎)を診断できる。
  ③中・高年女性の更年期障害、骨粗鬆症などに関し、一般的な知識を身につけてアドバイスできる。
 経験すべき症例(合併症含む)
  ①妊娠分娩(正常妊娠、流産、早産、正常分娩、産科出血、乳腺炎、産褥)
  ②女性生殖器およびその関連疾患
   (無月経、思春期・更年期障害、外陰・膣・骨盤内感染症、骨盤内腫瘍、乳腺腫瘍など)

【方略】
   病棟で指導医・上級医とともに診療を行う 。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】勤医協中央病院、勤医協札幌病院

 【指導医】

勤医協中央病院 .
勤医協札幌病院 長島香、渡邊喜久雄、西岡利泰

(10)精神科
  精神科医の指導のもと、外来および病棟で症例を経験する。
  【一般目標(GIO)】
  ①日常診療でよく出会う精神科疾患を理解し、最小限の適切な対応ができる。
  【行動目標(SBOs)】
   ①医師・患者関係を良好に維持する面接技法を身につける。
   ②精神科への適切な対診の仕方を身につける。とりわけ、自分で対応可能な病状と対診した方がよい病状の判断を的確にできる。
   ③睡眠障害を理解し、適切に対応できる。
   ④心身症、心気症(不定愁訴など)を理解し、適切に対応できる。
   ⑤不安性障害を理解し、一定の対応ができる。
   ⑥うつ病、うつ状態を理解し、一定の対応ができる。また、うつ状態を背景にした自殺念慮のある患者へ一定の対応ができる。
   ⑦せん妄状態を理解し、一定の対応ができる。
   ⑧痴呆(アルツハイマー型、脳血管性)の診断ができ、適切に対応できる。
   ⑨アルコール依存症を理解し、離脱症状に一定の対応ができる。精神科に対診することができる。
   ⑩統合失調症を疑うことができる。
   ⑪向精神病薬の作用と副作用について理解する。

【方略】
   病棟および外来で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】勤医協中央病院、勤医協札幌病院、札幌佐藤病院

 【指導医】

勤医協中央病院 田村修
勤医協札幌病院 .
札幌佐藤病院 佐藤亮蔵、大村嗣徳、山田真吾、稲川信、吉野實

(11)地域医療・地域保健
 【一般目標(GIO)】
  ①保健予防活動からプライマリーな外来医療、病診連携や介護福祉事業との連携まで総合的・包括的な保健・
    医療・福祉サービスについて理解できる。
  ②地域における住民の医療要求をつかみ医療機関やそこで働く医療従事者が果たすべき役割について理解できる。
  ③高齢者の生活を理解できる。
 【研修方法】
  期間は1ヶ月としているが、週1単位・年間計50単位を経験することで1ヶ月の研修とみなすことができる。いずれの方法でも、研修は2年次とする。
  研修場所と内容は以下の中から選択できる。
   ①診療所での研修:外来診療、療養指導、往診、訪問看護、デイケア・デイサービス、地域健康相談会での健康
   講話などを経験する。
   ②慢性疾患管理患者の往診、退院時の在宅復帰調整・家庭訪問、主治医意見書の作成、介護福祉サービスの利用・事業所との連携などを経験する。
   ③高齢者福祉施設での研修:特別養護老人ホーム、老人保健施設で医師の役割、看護師・介護福祉士などの業務を体験する。

【評価】
   指導医・指導者による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】勤医協中央病院
   勤医協中央病院、勤医協苫小牧病院、道北勤医協一条通病院、道南勤医協函館稜北病院、
   道東勤医協釧路協立病院、勤医協札幌西区病院、(以上協力型病院)
   勤医協平和通クリニック、勤医協月寒ファミリークリニック、勤医協もみじ台内科診療所、
   勤医協老人保健施設柏ケ丘、勤医協小樽診療所、勤医協芦別平和診療所、
   道北勤医協旭川北医院、道北勤医協旭川医院、道北勤医協一条クリニック、道北勤医協宗谷医院、
   道南勤医協江差診療所、老人保健施設かたくりの郷、道東勤医協ねむろ医院、十勝勤医協帯広病院、
   オホーツク勤医協北見病院、特別養護老人ホームかりぷあつべつ、札幌北区ぽぷらクリニック、
   勤医協札幌クリニック、勤医協黒松内診療所、勤医協室蘭診療所、
   勤医協上砂川診療所、勤医協余市診療所(以上、研修協力施設)
  
   ※各施設の指導医は、13項の「研修実施責任者」に準ずる。


(12)耳鼻科
 研修は、外来、病棟、検査室での見学・診察、手術室見学、および講義、自習、カンファレンスでおこなう。
 【一般目標(GIO)】
  ①耳鼻咽喉科的診察法が必要な症候を理解し、診察法の実際を身につけるとともに、耳鼻科医にコンサルトすべき
   状態を判断できる。
 【行動目標(SBOs)】
  ①耳、鼻、咽頭、喉頭、頸部の構造の特徴を述べる。
  ②適切な問診のとり方に熟練する。
  ③耳鼻咽喉科的診察法を模倣し、自分でも実施する。
  ④耳鼻科分野の基本的検査についてその適応を述べ、指示、実施できる。
  ⑤耳鼻咽喉科的診断・治療について耳鼻科医にコンサルトする。 
  ⑥耳鼻科急性疾患の対応方法を理解し、実施可能なものは自ら実施する。
  ⑦カンファレンスで他職種の意見を聞き、問題解決する視点でイニシアティブをとれる
  ⑧社会保障を充実させる運動について理解できる

 耳鼻科研修を選択しない場合でも初期研修で以下の症候・疾患を経験することが望ましい。
  ①症候 耳:耳痛、難聴、耳鳴、めまい、顔面神経麻痺 鼻:鼻出血、鼻漏、鼻閉、嗅覚障害 咽頭・喉頭:咽頭痛、
    呼吸困難、嗄声、嚥下障害 口腔:味覚障害、口腔内腫瘤 頸部:頸部腫瘤
  ② 疾患 咽頭・喉頭:咽頭痛とともに呼吸苦が生ずる可能性のある急性疾患には最も注意を払う(扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎、急性声門下喉頭炎)、
    急性咽頭炎、急性扁桃炎、伝染性単核球症、口蓋扁桃摘出の適応となる慢性疾患 
    鼻:鼻出血、急性副鼻腔炎、鼻アレルギー、慢性副鼻腔炎 耳:急性中耳炎、急性外耳道炎、
    急性感音難聴(が疑われる方)の対応、めまい発作の対応(脳血管障害の否定)、
    眼振の観察(フレンツェル眼鏡の使用) 顔面神経麻痺 頸部:頸部腫瘤 睡眠時無呼吸症候群

【方略】
   病棟および外来で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】勤医協中央病院

 【指導医】

勤医協札幌病院 永沼久夫、白取謙一

(13)泌尿器科
  【一般目標(GIO)】
   ①一般医科領域での泌尿生殖器に関わる問題について、一次対応と専門医コンサルタントができる。
  【行動目標(SBOs)】
   ①泌尿生殖器に関する問診ができる(排尿障害、尿失禁)
   理解すべき症候・疾患
    頻尿、尿意、尿意切迫、切迫性尿失禁、排尿開始の遅れ、尿勢の減弱、尿線の狭小化、努責排尿、
    排尿の途絶、夜間頻尿、残尿、残尿感、夜尿症、全尿失禁、腹圧性尿失禁、尿閉
   ②泌尿生殖器に関する理学所見ができる
   ③直腸診(とくに前立腺)ができる
   ④疾患の一次対応ができる(急性陰嚢疾患、包茎、亀頭包皮炎、排尿障害、尿失禁、カテーテルトラブル、血尿、尿路結石、尿路感染症、外傷)
   ⑤泌尿器科腫瘍の基礎知識を知り、日常診療で役立てることができる(前立腺癌、尿路上皮腫瘍、精巣腫瘍)

【方略】
   病棟および外来で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】勤医協中央病院、北海道大学病院(協力型病院)

 【指導医】

勤医協中央病院 鈴木龍弘
北海道大学病院 野々村克也、篠原信雄

(14)皮膚科
  研修では、外来見学、患者の問診、診断の予想を経験し、皮膚科医が最終的に診断をつけて確認する形で習得する。手術見学や講義、臨床写真カンファレンスなどもおこなう。
 【一般目標(GIO)】
  ①応急処置が必要な疾患には基本的な一次対応ができる。
  ②疾患によって皮膚科医にコンサルトすべきかどうか把握し判断できる。
 【行動目標(SBOs)】
  ①熱傷の重傷度判定・応急処置ができる。
  ②蕁麻疹の応急処置ができる。
  ③薬疹を疑った場合の対処ができる。
  ④褥瘡の予防・処置ができる。
  ⑤スキンケアの基本(手湿疹、乾燥性湿疹、陥入爪などの予防法も含む)を理解している。
  ⑥湿疹・皮膚炎群(接触性皮膚炎、アトピ-性皮膚炎など)の基礎知識を持っている。
  ⑦簡単な創傷処置・縫合ができる。
  ⑧感染症の診断・対処・(帯状疱疹、麻疹、風疹、蜂窩織炎)ができる。

【方略】
   病棟および外来で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】勤医協札幌病院、北海道大学病院(協力型病院)

 【指導医】

勤医協札幌病院 .
北海道大学病院 乃村俊史、夏賀健

(15)眼科
  研修は、外来、病棟、手術室でおこなうが、症例に出会う機会が少ない疾患については教科書よる学習や患者発生時の緊急呼び出しなどで経験する。
 【一般目標(GIO)】
   ①眼科緊急対応の必要な患者に適切な一次処置を施し、専門医が紹介できるようになる。
   ②糖尿病など慢性疾患で管理している患者も適切な時期に眼科医を紹介できる。
 【行動目標(SBOs)】
   ①緑内障急性発作を診断し、初期治療を行い、眼科専門医を紹介できる。
   ②網膜剥離が疑わしい患者を眼科専門医に紹介できる。
   ③糖尿病網膜症の管理を眼科と連携しながら行える。
   ④ものもらい・はやりめの患者に病状の説明ができる。
   ⑤眼内炎が疑われる患者を適切な時期に専門医に紹介できる。
   ⑥眼科外傷患者の初期治療を行い、専門医に紹介できる。
   ⑦ステロイドを長期使用している患者を適切な時期に専門医へ紹介できる。
   ⑧複視を主訴に来院した患者を適切な時期に専門医に紹介できる。

【方略】
   病棟および外来で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設】勤医協中央病院、勤医協札幌病院(協力型病院)

 【指導医】

勤医協中央病院 .
勤医協札幌病院 土屋芳治、田内慎吾

(16)放射線科
   ①画像診断、撮影法を学ぶ
    基本的X線診断、血管造影、CTの読影、MRIの読影、核医学検査法
   ②放射線治療を学ぶ
    各種放射線治療の基本、アイソトープ治療

【方略】
   指導医・上級医とともに放射線診断を行う。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】勤医協中央病院

 【指導医】

勤医協中央病院 吉川大平

(17)神経内科
  指導医のもとで、病棟での研修、外来での研修、症例検討などを行う。
  【一般目標(GIO)】
    プライマリ・ケア領域で必要な神経疾患に対する対応ができる。
  【行動目標(SBOs)】
   ①神経内科疾患を念頭に置いた問診を行うことができる。
   ②神経疾患を行うことができる。
   ③神経内科分野の基本的検査についてその適応を述べ、指示、実施できる。
   ④問診、診察、検査結果から神経疾患を想定し、適切なマネジメント(治療・専門医コンサルト)ができる。

【方略】
   病棟および外来で指導医・上級医とともに診療を行う。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】北海道大学病院(協力型病院)

 【指導医】

北海道大学病院 廣谷 真

(18)病理科
  臨床医学は多くの場面で病理診断が診断治療方針決定の根拠となっている。病理診断はまさにEBM(Evidence-based medicine)であることを理解する。。
  【一般目標(GIO)】
   ①臨床科と同じところ異なるところを感じてもらう。
   ②標本作成課程を理解する。
   ③病理結果問い合わせのしかたについて知る。
   ④病理診断部門の病院での役割について学ぶ。
   ⑤一般的に頻度の高い疾患の病理診断に触れる。
   ⑥なるべく現在進行形の検体にふれてもらう。
   ⑦安全、環境・感染対策について学ぶ。
  【行動目標(SBOs)】
   ①剖検は具体的にOn call。
   ②標本作成は組織、細胞診を1日技師について学ぶ。
   ③頻度の高い典型疾患についてみる。
     [中枢神経]脳血管障害、脳腫瘍 
     [頚部]甲状腺乳頭癌、慢性扁桃炎
     [呼吸器]肺炎、真菌症、塵肺、石綿肺 
     [消化器] 虫垂炎、胆のう炎、食道癌、胃癌、大腸癌、肝癌、慢性肝炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、H.pylori 
     [腎・泌尿器]前立腺肥大症、前立腺癌、Iga腎症、糖尿病性腎症、アミロイドーシス 
     [血液・リンパ節]反応性過形成、悪性リンパ腫(DLBL)、骨髄腫、癌転移 
     [骨・軟部・皮膚]脂肪腫、大腿骨頭壊死、関節リウマチ滑膜、アテローム
     [心・血管]動脈硬化、心筋梗塞     
     [婦人科]子宮筋腫、腺筋症、内膜癌、卵巣粘液性嚢胞性腺腫と腺癌
   ④手術室に呼ばれたときは一緒に行く。各種検討会や迅速診断に参加する。
   ⑤組織学の学習も必要に応じて行う。

【方略】
   指導医・上級医とともに剖検・検体作成および病理診断を行う。

【評価】
   指導医による概略評価

 【研修施設/1ヵ月】】勤医協中央病院

 【指導医】

勤医協中央病院 鹿野 哲

指導医評価

 研修医による指導医評価を行い、年に一度評価をまとめてフィードバックする。

【目的】
 研修医による指導医評価は個人的なバイアスが入りやすいことが医学教育学的にも指摘されているため、指導医個人へのフィードバックを目的とはせず、プログラム全体における指導医の評価と各科毎の指導医の評価をまとめ、個人ではなくプログラム全体と各科にフィードバックすることで指導スキルの向上を目指す。

【被評価者】
 ここで言う指導医は厚生労働省が認める指導医(7年以上の臨床経験を有し、指導医講習会を受講した医師)だけではなく、初期研修医の指導に関わる上級医全てを対象としており、各科にその対象者を選出してもらう。

【方法】
 ① 評価表を用いて、初期研修医はそれぞれの指導医を評価する。
 ② 年度末に集計し、プログラム全体における指導医の評価、および各科での指導医の評価、の2つにまとめる。
 ③ プログラム全体へのフィードバックとして院内全体に公表する。また、各科の指導医評価結果は各科の指導責任者にフィードバックする。
 ④ 基本的に個人へのフィードバックを上記理由から行わないが、指導医が開示を自ら要求した時は個人に開示する。
 ⑤ 研修プログラムの管理運営上、指導医個人に開示しなければならないと判断される場合、個人にフィードバックすることがある。その場合は、研修プログラム責任者および研修管理委員長(後述)が判断を行い、指導医個人にフィードバックする。

研修プログラムの評価

 研修プログラムの評価を定期的に行う。2年間の初期臨床研修を修了する研修医からの研修プログラムに対する評価・まとめ、研修管理委員会における外部委員から研修プログラムに対する意見、毎月行われる研修委員会での研修医からの意見、研修担当事務に直接寄せられた初期研修医からの意見、各病棟運営会議から出されたコメディカルからの意見、などを参考にしてプログラムの改善につなげる。
さらに、年度ごとに研修プログラム責任者および副責任者によってプラグラム全体および研修分野ごとの評価を行い、フィードバックを行う。

研修管理委員会および研修委員会

 当院には以下の構成による研修管理委員会を置く。同委員会では、研修プログラムの見直しや調整など全体的な管理をおこなうことを基本とし、 研修医の募集・採用の手続き、研修状況の把握と評価、健康管理や研修方針の作成・検討、研修医の処遇についての検討・調整、研修終了の評価などを担う。 研修管理委員会は年2回以上開催する。
 研修管理委員会の下部に研修委員会を置く。同委員会は、月1回以上開催し、研修プログラムの実質的な管理運営を行い、研修管理委員会に報告する。

(1)研修管理委員長
   堺  慎 勤医協中央病院副院長

(2)研修プログラム責任者
  責任者
   臺野  巧  勤医協中央病院内科科長・総合診療センター長
   副責任者:
   松本 巧   勤医協中央病院内科医長・運動器リウマチ副センター長
   松浦武志   勤医協中央病院内科医長  

(3)研修実施責任者
   尾形 和泰  勤医協札幌病院副院長
   稲川 信   医療法人社団大蔵会札幌佐藤病院副院長
   小市 健一  勤医協札幌西区病院院長
   宮崎 有広  勤医協苫小牧病院院長
   鈴木 和仁  道北勤医協一条通病院副院長
   佐々木 悟  道南勤医協函館稜北病院副院長
   吉岡  猛  道東勤医協釧路協立病院総院長
   筒井 裕之  北海道大学病院卒後臨床研修センター長
   岡田  靖  勤医協菊水こども診療所所長
   鈴木ひとみ  勤医協伏古10条クリニック院長
   平野  浩  勤医協札幌北区ぽぷらクリニック所長
   佐藤富士夫  勤医協札幌クリニック院長
   中井 秀紀  勤医協小樽診療所所長
   寺田 豊   勤医協黒松内診療所所長
   澁谷 譲   勤医協室蘭診療所所長
   伊藤 義雄  勤医協上砂川診療所所長
   佐久間 哲  勤医協もみじ台内科診療所所長
   塩原 康弘  勤医協月寒ファミリークリニック院長
   新垣 盛雅  勤医協平和通りクリニック所長・老人保健施設柏ヶ丘施設長
   勝田 琴絵  勤医協芦別平和診療所所長
   瀬野尾智哉  勤医協余市診療所所長
   坂牧 勉   道北勤医協一条クリニック院長
   仲谷 了   道北勤医協旭川北医院院長
   萩原 信宏  道北勤医協旭川医院院院長・老人保健施設かたくりの郷施設長
   松崎 道幸  道北勤医協宗谷医院院長
   大城  忠  道南勤医協江差診療所所長
   田辺 利男  道東勤医協ねむろ医院院長
   深町 知博  十勝勤医協帯広病院院長
   冨田  薫  オホーツク勤医協北見病院院長
   田名部みどり 特別養護老人ホームかりぷ・あつべつ施設長

(4)外部委員
   杉澤  憲  さっぽろ厚別通り内科 院長
   吉岡 恒雄  札幌東健康友の会副会長

(5)各科指導責任者
   松毛 真一  勤医協中央病院外科科長
   柴田 定   勤医協中央病院整形外科科長
   田口 大   勤医協中央病院救急科科長
   古明地恭子  勤医協中央病院麻酔科科長
   田村  修  勤医協中央病院精神科科長
   鹿野  哲  勤医協中央病院病理科科長
   渡辺喜久雄  勤医協札幌病院産婦人科科長
   久保田知樹  勤医協札幌病院小児科科長

(6)事務部門の責任者
   益井 圭  勤医協中央病院事務次長

(7)研修委員会構成員
   プログラム責任者・副プログラム責任者
   管理部代表
   各科研修委員
   後期研修医代表
   初期研修医代表
   看護部代表
   放射線部代表
   検査部代表
   地域医療課代表、医局事務課代表、医学生課代表、医師研修課(事務局)

研修医の募集定員ならびに募集および採用の方法

(1)募集定員
 定員は1年次14名とする。

(2)募集および採用の方法
 募集は公募とし、マッチングシステムで採用を決定する。

(3)選考基準
 採用希望者を対象に小論文と面接試験を実施し、書面による審査とあわせて選考の判断とする。面接試験の日時は別途定める。

(4)応募方法
 採用希望者は面接試験を受けるにあたり、事前に以下の書類を当院に提出すること。しめきりは別途定める。
  ①履歴書
  ②卒業見込み証明書
  ③成績証明書
  ④健康診断書
  ⑤小論文(小論文のテーマおよび字数は別途定める)

研修医の処遇

(1)採用日(研修開始日)
 研修医の採用日は4月1日とする。

(2)身分および待遇
 研修医は北海道勤労者医療協会の正職員(常勤)として採用され、待遇等はすべて当協会の就業規則、給与規定等に定めるところによる。

 ①研修医の勤務時間および休日について
   勤務時間は実働で平日7時間15分、土曜日3時間45分、出勤は8時45分、退勤は平日17時、土曜日12時30分、
  休憩時間は1時間とする。
   休日は、日曜日、祝日法にもとづく国民の祝日、毎月2回の土曜指定休日、夏期休暇(6日間)、
  年末年始休暇(12月30日から1月3日までの5日間)、年次有給休暇(1年次11日、2年次12日)とする。
   詳細は、就業規則の定めによる。

 ②給与等について
   研修医の基本給(月額)は、1年次305,600円、2年次312,000円(いずれも2014年度実績)を支給する。
  ほかに、年2回の賞与、当直料、時間外手当、住宅手当など規定に定められた内容で支給する。
   詳細は、給与規定の定めによる。

 ③社会保険、厚生年金等の加入について
   研修医は全員、社会保険、厚生年金、労災保険、雇用保険に加入する。

 ④宿舎の提供について
   研修医には住宅手当が支給される(1年次45,000円、2年次46,000円)。
   当院にて病院近くの住宅を斡旋するが、住宅手当をこえる費用分および管理費、光熱水費等については自己負担
  とする。
   詳細は、給与規定の定めによる。

 ⑤健康管理について
   研修医は年2回の定期健康診断を受けなければいけない。

 ⑥医師賠償保険について
   病院として加入している。研修医の医師賠償保険加入については任意とする。

 ⑦学会・研修会の参加について
   研修医が学会・研修会等に参加する際は、旅費(参加費はふくまない)を病院が負担する。ただし、2年次で年1回、
  1年次は病院長の認める場合に限る。
   詳細は、医師学会参加内規の定めによる。

(3)臨床研修修了証の交付
  2年間の臨床研修を修了した研修医には、臨床研修修了証を交付する。

(4)初期臨床研修終了後の進路について
 当協会および北海道民主医療機関連合会(北海道民医連)にて引き続き研修を希望する医師は、研修委員会と相談のうえ各専門科への所属や専門研修の実施について決めることができる。また、希望も考慮したうえで北海道民医連内の中規模病院や診療所での研修も選択できる。

本プログラムについての問合せ先

 勤医協中央病院 事務次長 本間 倉一郎
   〒007-8505 北海道札幌市東区東苗穂5条1丁目9-1
   TEL:011-782-9111(代表)  FAX:011-782-5451(医局)
   mail:souichiro.honma@kin-ikyo.jp
   ホームページ http://www.kin-ikyo-chuo.jp