小児健康ノート

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アデノウイルス感染症

アデノウイルスとは

乳幼児の感染症の主なウイルスの一つで、40種類以上のタイプがあります。ウイルスのタイプにより特徴的な症状が出るものもあり、中でも7型は強力なウイルスで、特に3歳以下では、肺炎・脳炎・血液の異常など重症になることがまれにあります。

アデノウィルスが原因の病気

  1. 咽頭炎: 高熱とともにのどの奥が真っ赤になります。扁桃炎をともなうことがあります。
  2. 結膜炎: 結膜炎や角膜炎の主な原因ウイルスです。
  3. 咽頭結膜炎: 約5日間続く高熱と、咽頭炎・結膜炎が特徴で、プールを介して爆発的な流行を認めることがあり、プール熱と呼ぶこともあります。せきは軽く、腹痛や下痢をともなうことがあります。
  4. 胃腸炎: 乳幼児によくみられ、発熱・腹痛・下痢・嘔吐を伴います。
  5. その他: 肺炎・急性出血性膀胱炎などがあります。

症状

突然の発熱。のどの痛み・扁桃腺の腫れが起こります。熱は高熱のことが多く、39~40℃の熱が3~7日間、平均5日間続きます。

治療

特別な治療はありません。症状をやわらげる対症療法を行います。

家庭で気をつけること

  1. 高熱: 高い熱が続きますが、熱の割に元気で、食欲がなくても、水分さえしっかりとれていれば、心配ありません。高熱で元気がなく、水分もとれない場合は熱さましを使いましょう。
  2. 食べ物・水分: のどの症状が著しい時は、食欲が落ちますので、のどごしが良いものを与え水分補給に心がけましょう。
  3. 登園・登校: 熱が下がって、2日くらいは休ませましょう。
  4. 予防: 目やに・せき・便の中にはウイルスが出されますので、手洗いを十分に行ってください。タオル類は家族で共用しないようにしてください。

もう1度受診した方が良い時

水分も受けつけない、元気がなく、眠りがちなどの症状がある場合、早めに受診した方がよいでしょう。

RSウイルス感染症

RSウイルスとは

RSウイルスは気管支や肺などの呼吸器に感染するウイルスで寒い季節に流行します。感染力は非常に強く、2歳頃までにほぼ100%の子どもがかかります。

一度かかっても、免疫が十分にできないので何度もかかりますが、繰り返し感染しながら、徐々に免疫ができ、症状は軽くなります。なお、RSウイルスの有無を調べる検査は外来ではできません。主として年齢や症状によって診断をつけることになります。

症状

飛沫・接触によって感染し、初めてかかった乳幼児の場合は鼻水から始まり、その後38~39度の発熱と咳が続きます。多くの場合、1~2週間で治りますが、うち約30%に胸のゼーゼーを特徴とする細気管支炎や気管支炎、肺炎などを発症します。

生後1年以内、特に6ヵ月以内の乳児、特に早産児や循環器系(心臓病など)や肺の病気を有する幼児では重症化しやすく注意が必要です。

治療

RSウイルスに抗生物質は効きません。細菌感染の合併症の可能性がある場合は、抗生物質を使うことがあります。多くの場合は症状を抑える対症療法が中心となります。他の風邪と同じく水分補給、睡眠、栄養、保温をして安静にして経過をみることになります。

家庭で気をつけること

  1. 食べ物・水分: 汗をかいて体から水分が失われるので、こまめに水分をあげてください。食事は消化の良いものにして食欲が無ければ無理に食べさせなくてもかまいません。
  2. 入浴: 熱がなければ入ってもかまいません。
  3. 登園・登校: 熱が下がり、咳、鼻水などの症状が落ち着いているようであれば、行ってもかまいません。

もう1度受診した方が良い時

咳がひどく、ゼーゼーするなどの呼吸困難が強い、高熱でぐったりしていて、水分がとれないなどの場合には、入院が必要となることがあります。

アレルギー性紫斑病

アレルギー性紫斑病とは

急に細い血管がもろくなって出血しやすくなる病気です。足や腕に紫斑がでる、強い腹痛や血便、関節が痛くなります。

アナフィラクトイド紫斑病、血管性紫斑病、シェーンライン・ヘノッホ紫斑病などと色々な名前で呼ぱれています。

家庭で気をつけること

  1. 水分: こまめに水分をあげて下さい。番茶や水、スポーツドリンクなどがよいでしょう。母乳は欲しがるだけあげてください。牛乳やミルク、オレンジジュースは下痢をひどくしたり吐いてしまう事があるので、ひかえたほうが良いです。
  2. 食事: 脂っこいものやくどいものは避けて消化の良いものにして下さい。食欲がなければ無理に食べさせなくてもかまいません。
  3. おしり: 下痢のときの便は刺激が強くてオムツかぶれを起こしやすいです。そのためオムツを交換するたびにお湯で洗ってあげるとかぶれずらいです。

脱水の症状

  • おしっこの量が少なくなり、尿の色が濃くなった。
  • 口の中やくちびるがカサカサになった。
  • 泣いても涙が出ない。
  • 不機嫌でぐったりしている。

受診した方が良い時

  1. 脱水の症状が出る前に一度受診しましょう
  2. 血の混じった便がでたり、高熱が出て下痢をしている時、下痢と一緒に吐いている時。。
  3. ぐったりして元気のないとき、脱水の症状がある時は直ちに受診してください。

*どんな便であるか、よく観察してください。また、便のついたオムツを持ってきてもらうと参考になります。

インフルエンザ

インフルエンザとは

インフルエンザウイルスによる感染症です。強い全身症状から始まり、主に気道をおかし、感染力がつよく、日本では冬に流行します。

インフルエンザは、A型、B型、C型がありますが、近年ではA香港型、Aソ連型、B型の3種類のうち主に2つが毎年流行しています。同じ型でも、ウイルスの遺伝子が変異しますので、毎年流行します。大きな変異をおこせば、いわゆる新型インフルエンザと呼ばれ、世界的に流行すると予想されています。

インフルエンザウイルスは感染力が非常に強く、低温・低湿度を好み、主に冬に集団内・地域内で爆発的に流行します。潜伏期は1~2日です。症状は急激な悪寒と高熱(3~5日続く)、全身のだるさ、関節痛、筋肉痛、頭痛、嘔吐、下痢、咳、鼻水、のどの痛みがふつうの風邪に比べて強く出ます。

治療

せき止め、痰切り、解熱剤による対症療法です。抗インフルエンザウイルス薬を、発症後48時間以内に内服すれば、1~2日、早く解熱するなど症状を軽くすることが可能ですが、副作用もあり使用するかどうかは医師と相談してください。

家庭で気をつけること

  1. 食べ物: 好きなもの、食べやすいもので、消化の良いものを与えましょう。水分をこまめに十分に摂るように心かけてください。
  2. 安静: 家で寝ていることが一番大切です。室温(暑すぎず、寒すぎず)に注意し、乾燥しやすい冬場は加湿に心がけて家でゆっくり休ませてあげましょう。
  3. 入浴: 疲れさせないように短時間での入浴・シャワー浴はかまいません。高熱があり、元気がない時はひかえましょう。
  4. 登園・登校: 解熱後48時間経つまでは感染力があるため、登園・登校は禁止です。

もう一度受診した方が良い時

合併症として、気管支炎・肺炎を起こすことがあります。咳がひどく、熱が長引くときや意識がおかしく、変なことを言うなどの症状があれば早めに受診しましょう。

水分を受け付けず、元気がなくぐったりしている。おしっこの量が減るなどの症状があれば受診しましょう。

タミフル

新聞やテレビなどの報道でご承知のことと思いますが、インフルエンザの治療薬・タミフルは、服用後に異常行動をおこすことがあるため、原則として10歳代のお子さまには、使用を差し控えるよう、厚生労働省から指示がありました。

他の調査では乳幼児で低体温になったり、突然死がみられたなどの報告もあります。(いずれも、タミフルとの因果関係ははっきりいたしません。)

また、幼児では、インフルエンザで脳症など重症になる場合が多いとの報道・報告もありますが、残念ながらタミフルが脳症を防ぐとの証拠も今のところありません。

したがって、当面、当院小児科外来では小児のすべての年齢に対して、タミフルの投与を原則的には控える方向で考えています。 基礎疾患(心臓病や呼吸器の病気)がある、受験が近いなどの事情がある方はお申し出いただき、医師とよくご相談ください。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

おたふくかぜとは

おたふくかぜ(ムンプス)ウイルスによる飛沫感染で、唾液腺(舌下腺・耳下腺・顎下腺)に感染し発症します。幼児から学童に好発しますが、大人もかかります。潜伏期間は約2~3週間です。

症状

主な症状は、耳下腺の炎症による腫れです。耳下腺(耳の下)の片側、または両側が腫れて痛みがでてきます。片側が腫れて、後からもう片方が腫れてくることもあります。熱はないこともありますし、39℃くらいの高熱になることもあります。

治療

痛みや発熱に対して、解熱鎮痛剤の飲み薬や坐薬、湿布での対応となります。

家庭で気をつけること

  1. 食べ物: すっぱいものや硬いものを食べると痛みが増すことがありますので、薄味にして、柔らかい食事にしましょう。
  2. 入浴: 熱がなければ入ってかまいません。
  3. 痛み: 耳の下が痛いときには、痛み止めを使ったり、直接冷やしたり、湿布をしてもかまいません。
  4. 発熱: 熱が38.5℃以上でぐったりしていて元気がなかったり食欲がない場合は、熱冷ましの坐薬や内服を使いましょう。その際坐薬は、5~6時間あけて使ってください。使いすぎに注意しましょう。
  5. 登園・登校: 耳の下が腫れている間はうつります。学校や保育園、幼稚園はお休みしましょう。腫れがひくのにふつう1週間くらいかかります。1週間以上腫れがひかないこともありますが、腫れ始めてから9日ほどたてば、感染力はなくなると言われています。

もう一度受診した方が良い時

  1. 30人に一人は髄膜炎を起こすといわれています。高熱がでて頭痛や嘔吐がある場合は、早めに受診してください。
  2. 1万人に一人は難聴を起こすといわれています。片側に起こることが多く、気づかれないことも多いので注意してみてください。

クループ症候群

クループとは

声を出す声帯の周り(喉頭=こうとう)が炎症を起こしてはれる病気です。原因はほとんどが、パラインフルエンザ・RS・インフルエンザなどのウイルス感染です。

症状は、声帯の周りがはれますので声がかれます。また、犬が遠吠えする様なオットセイが吠えるような“ケンケン”“バウバウ”といった特徴的なせきになります。さらに進行すると、息を吸うたびに“クークー”という音がするようになって、首の下や肋骨の間やみぞおちが落ちくぼむようになります。息が苦しいので、機嫌が悪く、食欲もなく、眠れなくなります。

声帯から少し気管の方に入ったところは、普通でも少しせまくなっていて、その子の小指がぎりぎり通るくらいの太さしかありません。ですからこの部分が少しはれるだけで、空気が通りにくくなってしまうのです。

治療

ボスミンという薬の吸入が効きます。ポスミンはすみやかにのどのはれをとる作用があるため吸入すると症状が改善します。また、ボスミンは蓄積されずにすぐに身体の外に排出されるので1時間ぐらいあければ、繰り返し吸入できます。

 ひどい時には、のどのはれを更におさえる目的でステロイドを使うこともあります。細菌感染の可能性があれば、抗生剤の内服が必要な事もあります。これらの治療で症状が軽くならないときは、入院が必要になります。

家庭で気をつけること

  1. 室内の加湿: 湯気を立てる、加湿器を使う、洗濯物を部屋の中に干すなど、室内の加湿に努めてください。
  2. 食べ物: 制限はありません。刺激の強い物はせきを誘発します。水分を意識してできるだけ多く摂らせましょう。
  3. 高い熱: 熱がでて、機嫌が悪い時は、熱さましを使ってもかまいません。泣くとひどくなるので、できるだけこどもを泣かせないようにしましょう。

もう一度受診した方が良い時

息を吸うたびに“クークー”と音がして、首の下や肋骨の間やみぞおちが落ちくぼみ、苦しそうになったり機嫌が悪くなったりした時には、直ちに病院を受診してください。

下痢をした時

子どもは、色々なことが原因で下痢をおこすことがあります。下痢のときに一番注意して欲しいことは脱水です。下痢により身体の中の水分が失われてしまいます。

家庭で気をつけること

  1. 水分: こまめに水分をあげて下さい。番茶や水、スポーツドリンクなどがよいでしょう。母乳は欲しがるだけあげてください。牛乳やミルク、オレンジジュースは下痢をひどくしたり吐いてしまう事があるので、ひかえたほうが良いです。
  2. 食事: 脂っこいものやくどいものは避けて消化の良いものにして下さい。食欲がなければ無理に食べさせなくてもかまいません。
  3. おしり: 下痢のときの便は刺激が強くてオムツかぶれを起こしやすいです。そのためオムツを交換するたびにお湯で洗ってあげるとかぶれずらいです。

脱水の症状

  1. おしっこの量が少なくなり尿の色が濃くなった
  2. 口の中やくちびるがカサカサになった
  3. 泣いても涙が出ない
  4. 不機嫌でぐったりしている

受診した方が良いとき

  1. 脱水の症状が出る前に一度受診をしましょう
  2. 血の混じった便がでたり、高熱が出て下痢をしている時、下痢と一緒に吐いている時。
  3. ぐったりして元気のないとき、脱水の症状がある時は直ちに受診してください。

*どんな便なのかよく観察してください。また、便のついたオムツを持ってきていただくと参考になります。

手足口病

手足口病とは

エンテロウイルス71、コクサッキーウイルスA16などのウイルスが原因の感染症です。手のひら・足のうら・口の中に小さな水ぶくれができることが特徴で、小さな赤い発疹が手のひら、足のうらひざ・お尻・陰部などにみられることもあります。

熱は出ないこともありますが、まれに髄膜炎を起こすことがありますので高熱が出て、頭を痛がったり、吐いたりした時は受診してください。手足の水ぶくれは痛がりませんが、口の中が痛くて食べられなくなることがあります。以前にかかったことがある子でも、2回かかることがあります。

治療

治療をしなくても自然に治る場合がほとんどです。熱や□の中の痛みがある時は、そのお薬を処方します。

家庭で気をつけること

  1. 食べ物: 口の中が痛いときは、しみないものを与えましょう。熱いものや塩味、酸味のつよいもの、かたいものは控えた方が良いです。こどもの好きなものを食べさせて良いです。水分は十分に取らせましょう。
  2. 入浴: 熱がなく、元気ならかまいません。
  3. 登園・登校: 熱がなく元気があれば、行ってもかまいません。熱がある時は、主治医の指示に従いましょう。

もう一度受診した方が良い時

口の中が痛くて水分が取れない、高い熱が続く、吐いてグッタリしている時。無菌性髄膜炎、中耳炎、心筋炎を、まれに合併することがあるので、発病して2~4日の間に、頭を痛がったり、耳の痛みがあったりした時。

突発性発疹

突発性発疹とは

ヒトヘルペスウイルス6型、7型により生後4~5ヶ月から1~2歳くらいまでの赤ちゃんが、突然高い熱を出して3~4日続いた後、熱が下がってから、全身に発疹が現れる病気です。

生まれてから初めての熱であることが多く、咳も鼻水も出ません。時々便がゆるくなることがあります。熱が高かったわりには元気もよく、発疹が出てから機嫌が悪くなることがあります。こどもからこどもへうつる事はありません。はしかや風疹と似ていますが、まったく別な病気です。

治療

熱が高くて機嫌が悪ければ熱さましを使ってください。

家庭で気をつけること

  1. 高い熱: 発熱が続きますが、熱で頭がおかしくなることはありませんのであわてないでください。
  2. 熱さまし: 38.5℃以上になり機嫌が悪くなるようであれば、熱さましを使ってください。熱さましは5~6時間以上あけて使うようにしましょう。
  3. 食べ物: 何を食べても良いです。水分は十分に取りましょう。下痢をした時には消化の良いものをあげましょう。
  4. 衣服: 厚着はさけてください。
  5. 入浴: 熱が下がったら入ってもよいです。

もう一度、病院へ来なければならない時

  • ひきつけをおこしたとき
  • 意識がいつもと違うとき
  • 水分をあまり取らず元気のないとき

熱性けいれん(ひきつけ)

熱性けいれんとは

急激な発熱の初期に起こる事が多く、眼球を上転または一点に静止させ、手を固くにぎりしめて手足をピンと伸ばしたり、ピクピクと曲げ伸ぱしを繰り返す事が数分間起こります。 

熱性けいれんの再発率は、2回目を起こすのが30%、3回目を起こすのが9%といわれています。

家で熱性けいれんを起こした時は

熱性けいれんは、ほとんど数分以内に止まります。命にかかわることは、まずありません。

  1. 基本的には何もする必要はありません。まずあわてない事が大切です。
    • 口の中に指やはしを入れないで下さい。(舌をかむ事はまずありません。はしなどをかませるとけがをする恐れがあります)
    • 大声でよんだり、からだをゆすったり、押さえつけたりしないで下さい。
  2. 楽な姿勢で: からだを横に寝かせ、服をゆるめてピンなど危ないものは取り外してください。
  3. 嘔吐に注意: 吐きそうなしぐさをしたら、からだを横にむけて、吐いたものがのどに詰まらないようにして下さい。
  4. しっかり様子を見て!!: 時計を見て何分続いているかを確かめ、けいれんの様子をよく見て、目の位置・顔色・手足の動きなどを後で医師に詳しく伝えてください。

病院に連絡が必要な場合

けいれんの直前まで元気で、数分間のけいれん後に意識がすっきりしている場合は、基本的には受診は必要ありません。

けいれん後も意識がすっきりしない時、けいれん後も顔色が悪く嘔吐が続く時、または生後半年未満の子のけいれんの場合は、病院に連絡してください。けいれんが明らかに(時計で確認して)5分以上続いて、おさまりそうもない場合は必要に応じて救急車を呼びましょう。

熱性けいれんの予防

熱性けいれんを繰り返す場合などは、けいれんを予防する薬(ダイアップ坐薬)を、ねつの出始めに使う場合もあります。必要の有無を医師とご相談ください。

ダイアップ(ジアゼパム)坐薬の使い方

使う目的

熱性けいれんは体温が38.5℃以上の時に起きやすいので、熱さましの坐薬と同じように38.5℃い序の時に使用するのが原則です。しかし、急激に熱が上昇するときに起こることも多いので、お子さんが発熱し、手足が冷たく、寒気やふるえを訴えている場合は37.5℃くらいで使用してもかまいません。

方法

あらかじめ処方されているけいれん止めの坐薬を肛門内に深く挿入してください。38℃以上の発熱が続く場合は、8時間後にもう一度だけ坐薬を使用してください。2回目以降は、さらに発熱が持続していても原則としてそれ以上坐薬を使用する必要はありません。

*この方法により、挿入のタイミングさえ失わなければ、ほとんどの場合、熱性けいれんを予防できます。

注意

  1. 熱さましの坐薬と一緒に使用しても害はありません。ですが、熱さましの坐薬を先に使用してしまうと、効果が落ちてしまいますので、先にけいれん止めの坐薬を使用し、30分くらい経ってから熱さましの坐薬を使用してください。
  2. 坐薬はお子さんの体重に応じて処方されます。坐薬が効きすぎた場合には、一時的に多少の眠気やふらつきが出現したり、時には興奮状態になることもありますが、半日くらいでおさまります。ふらつきによる怪我などに注意して様子をみていれば大丈夫です。

ワンポイント

坐薬を使用した場合は、発熱の状況や坐薬の使用時間などのメモがあると、来院していただいた時にたいへん参考になります。

はしか(麻疹)

はしか(麻疹)とは

はしか(麻疹)は、麻疹ウイルスに感染し発症します。このウイルスは、感染した人のくしゃみ、咳で飛び散り空気感染することもあり、非常に感染力が強いです。感染した後、症状が現れるまでの期間は10日から12日程度です。

症状

発熱、咳、鼻汁の風邪症状で発症し、目が赤くなり目やにもみられます。発熱は典型的な場合は、途中で短期間解熱する時期があります。最初の発熱は軽度から中程度(38~39℃)のことが多く、3、4日間続きます。最初の発熱が下がってくる頃、口腔内(頬の内側)に細かな白色の発疹がみられます。

このあと熱が再び上昇しはじめるのとほぼ同時に発疹がでてきます。発疹ははじめ小さな赤い斑点で首や耳の後ろにできます。そして次第に顔から体、手足へと広がるとともに、個々の発疹はやや盛り上がった感じで、やがて大きくなり、徐々に隣同士つながっていき、色は濃くなっていきます。発疹が全身に広がった頃には熱は下がることが多いようです。合併症がなくても、発熱は7、8日程度続きます。

発疹はその後、赤みが薄くなり黒すんだ色が残りますがこれもだいたい1ヵ月くらいで消失します。

合併症にはクループ、中耳炎、肺炎、脳炎など重篤なものもあります。

治療

麻疹ウイルスに対する特別な治療薬はなく、症状に対する治療が主となります。脱水症状が強ければ点滴をしたり、咳、鼻水、発熱の症状を和らげるように薬を使ったりします。細菌感染の合併を防ぐためや治療のために抗生剤を使用することもあります。全身状態が悪ければ入院が必要となります。

家庭での対処と気をつけること

  1. 発熱: 熱でぐったりしている時は、解熱薬や氷枕、アイスノンなどで少しでも苦痛を取ってあげましょう。
  2. 食べ物: 食欲がないときは、水分を十分補い、口当たりの良いものを与えるようにしましょう。
  3. 入浴: ぐったりしていなければ、短時間、シャワーにさっと入るのはかまいません。湯冷めはしないように。
  4. 咳がひどいときや、反応が鈍く意識が低下していそうな時: 合併症の心配があるので、早めに受診しましょう。
  5. 登園、登校: 可能となるのは、解熱後3日経ってからです。
  6. 兄弟姉妹や他の子にうつってしまったかもしれない時: 予防接種を受けていない子が、はしかに罹っている子と接触した場合、72時間以内に予防接種を受けると発症を防げる可能性があります。接触があった相手や学校、幼稚園などには早めに連絡しましょう。

発熱

発熱とは

平熱よりも1℃以上高ければ発熱といえます。 発熱の多くはウイルスや細菌による感染が原因です。身体は体温を上げて感染と闘い、ウイルスや細菌が暴れまわるのをおさえようとしています。熱の高さと病気の重さは、必ずしも一致しません。熱が40℃台までなら熱そのもので脳がおかされることはありません。

治療

飲み薬や注射、点滴など、熱の原因に対する治療をします。熱が高く、グッタリしている時は熱さましを使用します。熱さましは、熱によるつらさを一時だけ軽くする薬で病気を治す薬ではありません。ですから、熱が高くても元気で食欲もある時は熱さましを使用する必要はありません。また、寝ている子を起こしてまで使う必要はありません。

家庭で気をつけること

  1. 食べ物・水分: 汗をかいて体から水分が失われるので、こまめに水分をあげて下さい。番茶やリンゴジュース、スポーツドリンクなどが良いでしょう。母乳は欲しがるだけあげてもかまいません。食事は、消化の良いものにして、食欲がなければ無理に食べさせなくてかまいません。
  2. 入浴: 熱が高く元気がないとは止めましょう。温かいタオルで身体をふいて清潔にして下さい。熱が下がったら汗をさっと流して清潔にしましょう。
  3. 登園・登校: 熱が下がれば行ってもかまいません。病気によっては医師から指示が出る場合があるのでご確認ください。

熱さましの使い方

熱さましには、坐薬と飲み薬があります。効果は同じなので、その子にあったものを使用してください。その子の体重にあった量が処方されますので、昔のものや兄弟のものは使用しないでください。また坐薬は切って使う場合もあるので、医師からの指示量を聞いてください。

熱さましは、38.5℃以上の発熱でグッタリしている場合には使用sしてあげてください。1日3~4回以内で、5~6時間は間隔をあけて下さい。熱が上がりきってから使う方が効果があります。

受診した方が良い時

  1. 熱はあまり高くないが、機嫌が悪い、食欲がない、吐く、下痢などがある場合。
  2. 熱が4日以上続いたり、熱が上がったり下がったりする場合は再度受診しましょう。
  3. 3ヵ月未満の赤ちゃんの発熱(全身状態がよくても至急受診する必要があります)。

百日咳

百日咳とは

百日咳菌のひまつ感染により感染します。最初は普通の風邪とかわりませんが、次第にせきが多くなり、顔を真っ赤にして激しくせき込むようになります。1~2週目頃が最もひどい時で、夜間に増強する発作性咳嗽(レプリーゼといいます)がみられます。3~4週目頃になると、少しずつ軽い咳になってきます、熱はほとんど出ません。

赤ちゃんがかかると危険な病気で、生後6ヵ月以下の赤ちゃんではせきのために、息ができなくなってしまうことがあり、入院が必要となります。ほとんどは良好な経過をとります。合併症としては、肺炎や無気肺、中耳炎、脳症などをおこすことがまれにあります。

治療

百日咳に有効なエリスロマイシンという抗生物質を内服します。咳がひどく、日常生活に影響する時は、せき止めの薬も使用する事があります。

家庭で気をつけること

  1. 食事: せき込んで吐くこともあるので、一回量は少なく、回数を多くして消化のよいものを与えてください。
  2. 入浴: 機嫌や食欲が普通ならば入ってもかまいません。
  3. 登園・登校: 学校や幼稚園は、百日咳特有のせきが消えるまでは休ませる事、と決まっています。有効な抗生物質を5日間飲めば感染力はなくなりますので、主治医とご相談ください。

*他の子どもへの伝染を防ぐため、特に赤ちゃんとの接触は避けてください。

もう一度病院へ来なければならない時

せき込みがひどく息が止まりそうになるときや、せきで何度も吐いて元気がないとき、せき込んでくちびるの色が悪くなったとき、熱が出たときは、もう一度診察する必要がありますので、受診してください。

風疹

風疹の症状

3日前後の発熱と発疹、首と耳のまわりのリンパ節腫脹が特徴です。うつってから2~3週間後に、赤くて小さな発疹が体中に出ます。リンパ節は、特に耳の後ろ側にあるものが腫れ、痛みも出てくることがあります。熱はまったく出ない子から、高熱が出る子まで様々ですが、いずれにしても3日前後で治ります。

合併症としてまれに関節炎や血小板減少性紫斑病(体や下肢に小さな点状出血が出る)、脳炎(けいれんが止まらす意識がおかしい)などを起こすことがあります。また、もっと問題となる合併症として先天性風疹症候群があります。

この病気は妊娠初期(16週位まで)の妊婦さんが風疹にかかることで、お腹にいる赤ちゃんにも影響し、難聴、心奇形、白内障など、生まれつきの異常を持ってしまうという病気です。風疹にかかったら絶対に妊婦さんに近づかないようにしましょう。妊娠する可能性のある女性で、風疹にかかったことのない方は、必ず予防接種を受けて下さい。

治療

風疹そのものには特別な治療法はありません。頭痛や関節痛、発熱がみられる時は、解熱剤や痛み止めを、かゆみが強い時はかゆみ止めを使うことがあります。

家庭で気をつけること

  1. 食事: いつも通りでかまいません
  2. 入浴: 熱がなければかまいません
  3. 登園登校: 発疹が消失するまでは休んでください

もう一度受診した方が良い時

熱が4日以上続いて、ぐったりして元気がない時。また、関節の痛みが強い、意識がおかしい、けいれんを起こした時。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナとは

乳幼児のあいだで流行する夏かぜの一種で、コクサッキーA群のウイルスの感染が原因です。

38~40℃の熱が2~3日続き、のどの奥に小さな水ぶくれができるため、痛みによって食べ物が食べられなくなることがあります。ひどい時には、水分も飲めなくなり、脱水症になることもあります。

治療

基本的には特別な治療はありません。高熱が出たり、口の中の痛みが強い場合は、解熱鎮痛剤を処方することがあります。

家庭で気をつけること

  1. 食事: 口の中が痛い時はしみないものを与えましょう。熱いものや、塩味、酸味の強いもの、硬いものはひかえた方が良いです。水分はこまめにとらせましょう。
  2. 入浴: 熱が無く、元気であればかまいません。
  3. 登園・登校: 熱がさがって、食べられるようになってからにしましょう。

受診した方が良い時

  1. 口の中が痛くて、水分が摂れない時
  2. 高い熱が4日以上続く時
  3. 元気がなくてぐったりしている時

便秘

便秘とは

うんちの回数が少ないことではなく、うんちの水分が少ない、出にくい、出すと痛いことを言います。

便秘の原因

3~4ヵ月の赤ちゃんは、繊維質が少なく、カスが残りにくい母乳やミルクを、ほとんど体内に吸収することができるようになり、うんちの回数が減ることがあります。これまでより、うんちが硬く毎日出ない場合でも、3~4日に1回うんちが出て機嫌がよいなら特に心配ありません。

離乳が終わってからおこる便秘は、偏食や食事内容の偏りによるものが多くなります。 また、うんちが出そうなときに、トイレでするように強要するとプレッシャーになり便秘になりがちです。

お家でできること

  1. 肛門刺激: オリーブオイルに浸した綿棒を2cmくらい肛門に入れて、出口を広げるように軽くうごかします。強く動かしたり、毎日刺激すると肛門が切れる事があるので注意しましょう。
  2. お腹のマッサージ: 『の』の宇を書くようにマッサージすると、腸の動きを助けてあげることができます。
  3. 食事: 野菜や繊維の多い食品やヨーグルトなどを食べるようにしましょう。

病院での対処

4~5日もうんちが出ない、お腹がはっている、顔色が悪い、元気がない、食欲がないような場合、お腹の状態やこどもの様子をみて下剤の処方や浣腸を行うこともあります。

受診した方が良い時

  1. 肛門が切れて出血したとき
  2. 一週間以上の便秘が何度もおこる
  3. 痛そうに泣く
  4. 嘔吐する
  5. 顔が真っ青になる

みずぼうそう(水痘スイトウ)

みずぽうそう とは

ウイルスによる空気感染(飛沫感染)です。1歳に多く発症します。潜伏期間は約2~3週間です。

症状

主な症状は、熱と発疹です。熱はほとんど気がつかない程度のものから、高熱をみるものまで様々です。発熱とともに発疹が全身に出ます。発疹がたくさん出ると、熱も高い傾向があります。発疹は、赤い小さいポツポツから始まって、徐々に水疱から、膿をもった発疹となり、黒いカサブタとなっていきます。これが次々と続くため、ある時期、色々な発疹が混ざっているのが特徴です。発疹がすべてカサブタになるまでに約1週間かかります。

治療

かゆみを抑える飲み薬と軟膏をつかいます。抗ウイルス薬は発疹が出はじめて、1~2日に使えば症状を軽くします。ひどくなりそうな人に使うこともありますので、医師と相談してください。

家庭で気をつけること

  1. 食べ物: 口の中に発疹が出た場合刺激の強いものは避けましょう。やわらかいものが食べやすいです。
  2. 入浴: 熱がなければ入ってかまいません。
  3. お肌の手入れ: 水疱をかき破らないように爪を短くして、清潔にしておきましょう。
  4. 登園・登校: 全ての発疹が黒すんでカサブタになるまではうつりますので、それまでは保育園・幼稚園・学校などはお休みしましょう。

もう1度受診した方が良い時

水分も受けつけない、元気がない、ふらふらして座っていられない、眠りがちなどの症状がある場合は、早めに受診した方がよいでしょう。

りんご病(伝染性紅斑)

りんご病とは

ほっぺがりんごの様にあかくなるので、りんご病と呼ばれています。太ももや腕には、レース状に赤い斑点やまだら模様ができています。

症状

約2週間の潜伏期のあと、軽いかぜ症状が出現します。かぜ症状は軽く、気づかれない場合もあり、かぜ症状出現後、4~7日目頃に顔面・ほっぺの発疹が出現し、りんごの様にほっぺが赤くなります。また、全身特に太ももや腕にレース状に発疹が出現します。この時、軽くかゆみや発熱があります。日光、温度、運動、摩擦などで症状が長引きます。大人では、関節痛が強くリウマチと間違われることもあります。

治療

特別な治療はありません。自然に治りますが、かゆみが強い時や頭痛、関節痛がある時は、症状に合わせた対症療法を行います。

家庭で気をつけること

  1. 食べ物・水分: いつもの通りでかまいません
  2. 入浴: 熱い風呂や長湯は、赤みが強くなることがありますが、いつも通りでかまいません。
  3. 登園・登校: ほっぺが赤くなったときは、すでにうつる時期を過ぎているので、行ってもかまいません。
  4. 運動: 運動で体が熱くなったり、日光に長く当たったりすると、長湯と同じように赤みが長引きます。

ロタウイルス性胃腸炎

ロタウイルスとは

乳幼児に強い嘔吐、下痢をひきおこす感染力の強いウィルスです。

ロタウイルス性胃腸炎

ロタウイルス性胃腸炎は小児では、6ヶ月から2歳くらいまでに必ずといって良いほど経験する病気です。激しい嘔吐や水のような多量の下痢便を引き起こし、便の色はレモン色から白っぽく米とぎ汁様になり、刺激臭の強いのが特徴です。

高熱がでることもあります。合併症がなければ普通、嘔吐は1~2日で、下痢は1週間くらいで治ります。よだれや吐いた物、便といった排泄物を触って経口感染します。

治療

薬も処方しますが、ウィルスが原因のため特効薬はありません。家庭での食事療法が一番大切です。吐き続ける時や、脱水が強い時は、点滴や入院が必要になります。

家庭で気をつけること

  1. 吐き気: 吐き気の強い時は、無理に食べさせなくてもよいです。水分を小量ずつ小分けにして根気よくこまめに与えてください。吐き気が続く場合は、吐き気止めを使用しましょう。
  2. 下痢: 下痢が激しいので、お尻はおむつ交換毎にぬるま湯で洗ってあげて下さい。ゴシゴシするとタダレがひどくなります。
  3. 食べ物: 水分摂取が重要です。小児用のイオン飲料・お茶・リンゴジュースなどを与えてください。水やお茶ばかりでなく、多少の糖分と塩分も補給するようにしましょう。食欲がない場合は食事がとれなくても、水分さえとれていれば大丈夫です。

*吐いた物や便にふれて感染しますので、おむつ交換などの後は、手洗いを充分に行ってください。

もう一度、病院へ来なければならない時

脱水症状が強い場合は、点滴治療が必要です。次のような場合は早めに受診してください。

  • 吐き気が強く、水分が取れないとき
  • 唇や口の中が乾いている
  • 顔色が悪くグッタリしている
  • 泣いても涙が出ない
  • おしっこの回数が少なく、色も濃い

*食欲が戻り、元気が回復し下痢の回数が1~2回になれば登園・登校しても良いでしょう。

溶連菌感染症

溶連菌感染症とは

溶血性連鎖球菌という細菌が、のどから侵入して発症します。潜伏期間は2~5日です。症状はのどの痛みです。熱・頭痛・腹痛・嘔吐をともなうこともあります。舌が赤くイチゴのようになることもあります。単なる上気道炎(風邪)ですむこともあります。発疹が出てくるとよく、『猩紅熱』とよばれます。発疹は首、胸から始まり24時間以内には全身に広がります。

治療

溶連菌を殺す目的と合併症(急性腎炎、まれにリウマチ熱)を防ぐために抗生剤を10日間服用します。合併症がおきていないかを確認するために、約3週間後に尿検査を受けましょう。

家庭で気をつけること

  1. 家族にもうつる: 熱の出る前日から5~6日間は感染します。抗生物質を飲み始めて24時間で感染しなくなります。
  2. 食べ物: 制限はありません。のどの痛い時は、熱いものや辛いもの、すっぱいものは避けましょう
  3. 入浴: 熱がなければかまいません。
  4. 登園・登校: 抗生物質を飲みはじめてから、24時間以上たっていれば、他の子にはうつりません。

もう1度受診した方が良い時

  1. 抗生物質を飲みはじめて2日以上たっても熱が下がらないとき。
  2. のどの痛みが強くて水分も取れないとき。

*腎炎をおこしていないか、尿検査をしましょう。
尿だけ持ってきてくださっても結構です。できれば朝起きてすぐの尿をお願いします。