救急診療部

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ご挨拶

2020年5月

救急センター センター長
田口 大

 当センターは2003年5月開設の救急診療部を前身とし、2013年5月新病院移転を契機に、当院方針3本柱のひとつと位置付けられ、スタッフや設備を拡充してきました。同時に、高次救急医療施設や近隣医療施設との連携強化を行い、当センターへ救急車搬送となった方や徒歩受診された方へ、質の高い救急医療を提供できるよう努力を重ねてきました。

 高齢化社会を反映し、当センターへの救急搬入傷病者は80歳代が最も多く(図1)、救命救急センターが全国各地に設置され始めた第2次交通戦争の頃(1980年から2000年頃)とは、大きく異なっています。高齢者への急変時心肺蘇生術の判断は、認知症による自己意志決定困難や高齢者入居施設の事情、そして消防法などが複雑に絡みあい、とても難しい問題です。このような厳しい現状において、各科に円滑に相談が出来る環境が整っている当センターは、過不足のない救急医療を提供し、高齢傷病者の複雑な事案に対応可能な総合力を備えている、と自負しております。

図1
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図2
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 当センターは、札幌市北東部における急性期医療を担う病院として、地域の多くの病院やクリニック、訪問診療や介護担当者に協力し、更には、黒松内・小樽・当別・江別・夕張・南幌・北広島・千歳などの札幌近郊からも救急搬送を受けてきました。その結果、救急搬送数は(図2)北海道No.2となり、近郊市町村も含めた札幌救急医療圏の砦として貢献しています。


図3 患者家族に入院案内を説明する当センター事務員

 スタッフ数も増え、特に救急センター内に24時間事務員が配置されたことは、当センターの特徴です。救急センター事務員の常駐により、駆けつけて来られたご家族の案内や、荷物搬送・帰宅手段の相談・診断書発行・会計案内などきめの細かい対応が可能となりました(図3)。高齢化が進み、地域包括ケアが必要とされる時代、他施設との連携・共同だけでなく、院内での連携・共同も大切で、事務員の活躍が救急搬送もしくは緊急受診となった方の不安軽減につながれば幸いです。

 私は「救急医療は電気や水道と同じく、ライフラインである」と考えています。スイッチを入れれば灯りがつき、蛇口をひねれば水が流れ出すように、体調が悪い際には、すぐ相談に乗ることができ、救急車搬入でも安心して診療が受けられるような救急センターを目指して、今後とも努力を続けて参ります。