救急診療部

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救急センターの紹介

2017年12月

図4 導線比較
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 当センターは、ER(緊急処置室)、HCU(高度治療室)、救急総合外来、中央処置室、放射線診断室(レントゲン・血管造影室・CT・MRI)を集約化し、有機的な動線を確立したことが特徴的です(図4)。重症傷病者の治療において最も危険なのが「移動」と言われており、様々な工夫と取り組みが功を奏し、移動時間の短縮化(図5)と臨時入院待機時間の短縮化(図6)が実現されました。このことは、医療スタッフだけではなく、傷病者とご家族のストレス軽減に繋がり、安心して救急診療を受けることに繋がるものと考えております。


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図6
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違法ドラッグ所持
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 上記以外の特徴として3点御紹介させて頂きます。1つ目が、対応困難な複雑事案に応需可能であることです。自殺未遂やアルコール関連トラブル、薬物乱用、検視対応、老々介護の破綻、外国人傷病者、無保険、帰宅困難、暴言暴力といった事案は、色々と労力を要するため、救急診療に不慣れな施設では敬遠されがちです。当院では救急科が中心となって各部署と連携しながら的確な対応を行い、マニュアル作成(図7)と対応の標準化がなされているため、現場で大きなトラブルとなることは稀です。そういった意味では、当院は札幌市救急医療システムの最後の砦として機能を果たしていると考えられます。

違法ドラッグ所持
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 当然のことながら、当院は2次救急病院であり、何でも彼でも全て当センターで完結することは不可能です。手稲区や清田区、南区などの遠方区からの多施設不応需事案は、当センターにて、まず応需し初療を施した後に、地元の希望する病院へ紹介・転院調整を行い、場合によっては、より高次医療機関へ転院搬送を行なっております(図8)。こういった対応は、救急車内での現場滞在時間の短縮化に貢献し、より質の高い救急医療の実践に役立っているものと考えらえます。

図9 他県DMAT隊員と西原村にて
医療活動を行う当院JMAT隊員たち

 当院では年1回の災害訓練(被災者約20名、参加職員100名)を札幌市消防局東署と合同で開催しております(図10、図11)。訓練では、赤・黄・緑・黒の各トリアージポストの設営、備品管理、実際のトリアージ、消防との連携といった、より実践的な訓練となっており、その様子を当院ホームページよりYouTube動画でご覧になれます(14分49分)。「非常に質の高い災害トリアージ訓練」と評判ですので是非一度御覧になって頂きたいです。2017年度は、北海道大学病院DMATと札幌市消防局東署、札幌東徳洲会病院、そして当院との過去最大の大規模合同災害訓練が開催される予定です。

図10 訓練時、トリアージポストにて模擬患者を
札幌市消防局救急隊員より引き継ぐ当院職員

図11 災害訓練時、
被災者の受け入れ準備を進める当院職員たち

 3つ目の特徴は、院内トリアージです。年間約2万名が徒歩受診する当センターの救急外来はこれまで非常に混沌としておりましたが、より重症で早期に治療を要する方から優先して診察を行うシステム(院内トリアージ)を2016年4月から導入しました。専任看護師(トリアージナース)が症状別トリアージ表に基づいて診察順番を決定します(図12)。院内トリアージの導入によって、重症な方と軽症な方の区別が可能となり診療の質向上に繋がりました(図13)。そして当センターを徒歩受診される方の傾向を把握することが可能となりました(図14)。当センターの救急外来を徒歩受診された方のなかには、自分より後に受付した方が、自分より先に診察されることにご不満をお持ちになる方がいらっしゃるかも知れません。しかし救急外来は、その特殊な性質上、皆さまのご理解とご協力がなければ成り立ちません。ご不便をお掛けしますが、ご理解とご協力をどうぞよろしくお願い致します。


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 当院は、2017年9月現在529施設ある、日本救急医学会認定の救急科専門医指定施設の一つです。日本の救急医療は、一次、二次、三次救急に分けられますが、歴史的に三次救急として最重症の患者診療を担う救命救急センターを中心に発展してきました。しかし、札幌市消防局のホームページ上にあるように、救急車搬送傷病者の52.5%は軽症者です。中等症42.5%を合計すると、救急車搬送傷病者の95%は一次救急施設(夜間急病センターなど)や当院のような二次救急病院の力量に掛かってきます。特に、高齢者や経済的社会的困難を抱える方の『最後の砦』として、無差別平等で良質かつ安全な医療を実践してきた当院は、引続き『断らない救急』を目指していく所存です。

勤医協中央病院救急センターの基本的診療方針

  1. 当院は札幌市北東部の地域中核病院として、患者さんの要求に応える急性期医療を提供します。
  2. 災害時には、病院をあげて地域と住民を守る医療機関となります。
  3. 呼吸器、乳腺、消化器、運動器・リウマチ、心臓血管、糖尿病内分泌・腎臓および総合診療・血液センターと連携し、適切でより高い技術の急性期医療を提供します。
  4. 24時間、365日救急患者を受入れます。
  5. 札幌市の呼吸器、循環器および消化器二次当番、けが災害当番病院を担当します。
  6. ACSネットワークの一員として地域の虚血性心疾患の治療成績向上に寄与します。
  7. 救急診療においても無差別平等の医療を実践し、医療格差のない良質で安全な医療を目指します。
  8. 臨床研修病院として民主的な集団医療に基づく救急研修を通じて、人間の権利と尊厳を尊重する医療人を育成します。
  9. 救急医療分野における学術・研究活動を行い、自らの医療内容を検証し改善することを目指します。

救急センター センター長 田口大

 

学術活動・研究業績