消化器外科

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消化器外科の紹介

2020年6月

 勤医協中央病院消化器外科では、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆道、膵臓、ヘルニア、肛門、腹部救急などの疾患の診断・治療を行っています。良性から悪性までの消化器外科領域すべての疾患に対応しています。

 良性疾患はもちろんのこと、悪性疾患に対しても腹腔鏡や胸腔鏡を用いた低侵襲手術を応用して、患者さんの体の負担の少ない手術を積極的に施行しています。

 各専門科と連携して、内視鏡治療から抗癌剤や放射線治療などの集学的治療も積極的に行っています。

 救急センターと連携して、24時間体制で腹部救急疾患の治療も行っています。

 北海道がん診療連携指定病院として、地域はもちろんのこと道内の医療機関や施設から積極的に患者さんを受け入れております。

 厚生省臨床研修指定病院として、外科医を育成するための教育・研究にも力を注いでいます。

診療実績

消化器外科手術症例(1-12月)  2017年 2018年 2019年
食道・胃・十二指腸
72
62
69
小腸・大腸
178
152
189
肝臓
27
17
26
胆道
151
133
123
膵臓
14
11
14
虫垂炎
53
54
48
腸閉塞
41
31
36
ヘルニア
85
79
71
肛門
35
35
33
腎・副腎
7
3
3
合計 663 577 612

食道・胃外科の紹介

2020年6月

食道
 食道癌の治療においては、早期癌(主に粘膜癌)は内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を内科と連携し施行しています。切除困難例や希望されない場合は放射線治療も選択できます。
 外科手術では胸腔鏡の併用で傷の大きさをできるだけ小さくし、術後の痛みや体に与える負担を軽減させ早期回復につなげています。最近ではガイドラインに準じて術前に抗癌剤治療を選択しています。
 手術適応外の高度進行癌では抗癌剤治療と放射線治療を組み合わせた集学的治療も放射線治療科と連携して施行しています。効果判定により根治手術(サルベージ手術)も可能となりました。
 逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、食道アカラシア、食道憩室、食道狭窄、良性腫瘍などの良性疾患に対しても内科的治療が困難な場合、胸腔鏡や腹腔鏡を併用した手術を積極的に選択しています。


 胃癌の治療においては、早期癌(主に粘膜癌)は1982年当院で考案されたHSE液局注を併用した内視鏡的粘膜切除術(ERHSE)や1999年に粘膜下層剥離術(S-ERHSE)へ応用され発展してきたEMRやESDの手技を内科と連携して積極的に施行しています。
 外科手術では、早期癌を主な対象として腹腔鏡補助下手術を選択し、傷の縮小、術後の痛み軽減、早期回復、入院期間の短縮などを実現しています。最近では完全腹腔鏡下手術(開腹創のない)も積極的に取り入れています。手術適応外の高度進行癌では、抗癌剤治療を先行し、効果判定により根治手術(コンバージョン手術)を選択するなどの集学的治療も行っています。
 胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの良性疾患に対しても内科的治療困難な場合、腹腔鏡下手術も選択しています。

大腸肛門外科の紹介

2020年6月

 大腸癌を中心に憩室症、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、痔などの肛門疾患、直腸脱などの肛門病に対し積極的に治療を行なっています。また、大腸癌研究会に所属し全国の医療機関と共同で大腸がんの治療成績向上のため調査・研究に当たっています。

大腸癌治療
 近年増加傾向で男女ともに上位を占める癌ですが、他の癌腫と比較すると治りやすい癌です。早期に発見し積極的に治療することで高い確率で治癒が見込めますが、進行癌になると手術をしても再発や転移をすることがあり病院によって治療成績が異なります。当院は大腸肛門病学会の専門医が複数で診療にあたり、再発転移した際にも、肝臓外科・呼吸器外科の専門医とともに完治を目指します。
 早期の癌は消化器内科と連携して内視鏡粘膜切除(ESD)で治療します。胃がんの治療として当院で開発されたER-HSE法を大腸腫瘍にも応用しています。
 病期ⅠからⅢAの癌治療に、高度な癒着や多臓器浸潤を除き、原則として腹腔鏡下手術を行っています。腹腔鏡補助下大腸切除術は、傷が比較的小さく痛みも少ないので体の負担が少ないと言われています。開腹手術と同等の治療が見込まれ、無理なく安全に行える場合に行います。安全性を優先させて途中で開腹手術に変更する場合もあります。当院では1994年から腹腔鏡下手術を導入しており、大腸腫瘍に対する腹腔鏡下手術は約80例/年です。2005年に内視鏡外科学会技術認定を河島医師が取得して以来、多くの外科医がチームとして腹腔鏡下大腸手術のトレーニングを積み現在に至っています。

直腸癌に対する自然肛門温存手術
 国立がんセンター中央病院(東京)などで手術研修を行ってきた専門医たちにより、癌の根治性を落とさず自然肛門温存術を他の病院に先駆けて行ってきました。機器の進歩、骨盤内解剖の専門知識、手術技術の向上で高い肛門温存率を誇っています。究極の手術といわれるISR(括約筋間切除術)も積極的に施行しています。しかし無理に肛門を残しても頻回の排便や便もれにより生活の質を落とすこともあります。特に高齢者は肛門括約筋機能の低下がありストーマがよい場合もあります。どの手術法が適しているか、親身に相談し決めています。一時的なストーマも選択肢となることがあります。

直腸脱手術
 直腸脱は、近年高齢化社会において増加している疾患です。肛門から直腸が反転して脱出するもので押し戻すと元に戻りますが腹圧をかけることで容易に脱出を繰り返します。従来の肛門側からの手術に加え、近年では腹腔鏡下手術直腸固定術も積極的に行っています。

内痔核に対するジオン注射治療
 脱出性内痔核による脱出や出血の症状に対し、ジオン注射療法を行っています。1泊入院で切らずに治します。注射では治せず手術が必要な場合もあります。
 痔疾患治療の基本は、軟膏・坐剤と便通の調整・生活改善です。肛門は、受診に抵抗があるかもしれませんが、一人で悩んだり売薬に頼るのではなく、正しい診断のうえでの治療をお奨めします。痔だと思ったら癌ということもあります。

肝胆膵外科の紹介

2020年6月

 肝胆膵外科領域は、一般消化器外科で身につけるべき腹腔鏡下胆嚢摘出術をはじめさまざまな肝切除術、膵切除術など難易度の高い手術まで幅広く行っています。良性疾患では胆嚢結石・総胆管結石・肝内結石症の治療、急性胆嚢炎の早期手術など、悪性疾患では肝癌、胆管癌、胆嚢癌、膵癌などを対象に積極的な根治切除、飛躍的に抗癌剤治療成績が向上している大腸癌肝転移に対しても門脈枝塞栓などを駆使して積極的に肝切除術行う方針で治癒を目指しています。さらに各分野で腹腔鏡下手術を取り入れ、手術の完成度と安全性を保ちながら傷を小さくする試みを続けています。特に腹腔鏡下肝切除術や尾側膵切除術に力を入れています。
 主な手術の年間平均件数は、腹腔鏡下胆嚢摘出120例、肝切除術30例、膵切除術20例です。難易度の高い手術に加えて術後合併症が比較的多い領域ですが、さまざまな工夫により安全な周術期管理を確立しています。
 また、専門性の高い領域であるため1年間の国内留学を行い、診断や治療、特に手術手技のレベル向上を図っています。2012年より日本肝胆膵外科学会の高度技能専門医修練施設Bの認定を受け、高度技能専門医の育成にも力を入れています。


学術活動・研究業績