消化器外科

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診療内容

2021年8月

食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆道、膵臓、ヘルニア、肛門、腹部救急など消化器疾患全般の診療のを行っています。良性疾患はもちろんのこと、悪性疾患に対しても腹腔鏡や胸腔鏡を用いた低侵襲手術を応用して、患者さんの体に負担の少ない手術を積極的に行っています。

対象疾患

腫瘍外科分野
食道、胃、十二指腸、小腸、結腸、直腸、肛門、肝臓、胆道、膵臓、脾臓、副腎、腎臓、再発など胸腹部全般
一般外科分野
ヘルニア、肛門疾患、胃瘻造設、CV ポート埋め込み、感染症ほか
腹部救急外科分野
消化管穿孔・出血、虫垂炎、腸閉塞、腸管壊死など

治療や検査

食道・胃外科

食道
    早期がん(主に粘膜がん)は内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を内科と連携して行っています。
    手術は胸腔鏡の併用で傷の大きさをできるだけ小さくし、術後の痛みや体に与える負担を軽くして早期回復につなげています。最近ではガイドラインに準じて術前に抗がん剤治療を選択しています。
    手術適応外の高度進行がんでは、抗がん剤治療と放射線治療を組み合わせた集学的治療を放射線治療科と連携して行っています。効果判定により根治手術(サルベージ手術)も可能となりました。
    逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、食道アカラシア、食道憩室、食道狭窄、良性腫瘍などの良性疾患に対しても内科的治療が困難な場合には、胸腔鏡や腹腔鏡を併用した手術を行う場合があります。
    早期がん(主に粘膜がん)は、1982年当院で考案されたHSE液局注を併用した内視鏡的粘膜切除術(ERHSE)や、1999年に粘膜下層剥離術(S-ERHSE)へ応用され発展してきたEMRやESDの手技を、内科と連携して行っています。
    手術は、早期がんには腹腔鏡補助下手術を選択することで、傷の縮小、術後の痛み軽減、早期回復、入院期間の短縮などを実現しています。最近では開腹創のない完全腹腔鏡下手術も取り入れています。
    手術適応外の高度進行がんでは、抗がん剤治療を先行し、効果判定により根治手術(コンバージョン手術)を選択するなどの集学的治療を行っています。
    胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの良性疾患に対しても内科的治療困難な場合は、腹腔鏡下手術を選択しています。

大腸肛門外科

    大腸がんを中心に憩室症、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、痔などの肛門疾患、直腸脱などの肛門病の診療を行なっています。

大腸がん治療
    近年増加傾向で男女ともに上位を占めるがんですが、他のがん腫と比較すると治りやすいがんです。早期に発見し積極的に治療することで高い確率で治癒が見込めますが、進行がんになると手術をしても再発や転移をすることがあり病院によって治療成績が異なります。当院は大腸肛門病学会の専門医が複数で診療にあたり、再発転移した際にも、肝臓外科・呼吸器外科の専門医とともに完治をめざします。
    早期のがんは消化器内科と連携して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で治療します。胃がんの治療として当院で開発されたERHSE法を大腸腫瘍にも応用しています。
    病期ⅠからⅢのがん治療は、高度な癒着や多臓器浸潤がある場合を除き、可能な限り腹腔鏡下手術を行っています。腹腔鏡補助下大腸切除術は、傷が比較的小さく痛みも少ないので体の負担が少ないと言われています。開腹手術と同等の治療が見込まれ、無理なく安全に行える場合に行います。安全性を優先させて途中で開腹手術に変更する場合もあります。2005年に内視鏡外科学会技術認定を取得して以来、多くの外科医がチームとして腹腔鏡下大腸手術のトレーニングを積み現在に至っています。
直腸がんに対する自然肛門温存手術
    国立がんセンター中央病院(東京)や横浜市大などで手術研修を行ってきた専門医たちにより、がんの根治性を落とさず自然肛門温存術を他の病院に先駆けて行ってきました。機器の進歩、骨盤内解剖の専門知識、手術技術の向上で高い肛門温存率を誇っています。
    下部直腸がんや肛門付近のがんに対して、できるだけ肛門を残す手術が行われるようになっています。それが究極の肛門温存手術といわれる括約筋間切除術(ISR)で、当院でも行っています。しかし無理に肛門を残しても頻回の排便や便もれにより生活の質を落とすこともあります。特に高齢者は肛門括約筋機能の低下があり人工肛門(ストーマ)がよい場合もありますので、どの手術法が適しているか、親身に相談し決めています。一時的なストーマも選択肢となることがあります。
直腸脱手術
    直腸脱は、高齢化により増加している疾患です。肛門から直腸が反転して脱出するもので押し戻すと元に戻りますが腹圧をかけることで容易に脱出を繰り返します。従来の肛門側からの手術に加え、肛門から外に脱出した直腸を腹腔鏡を使ってお腹に戻し骨盤に縫って固定する腹腔鏡下直腸固定術も行っています。
内痔核に対するジオン注射治療
    脱出性内痔核による脱出や出血の症状に対し、ジオン注射療法を行っています。1泊入院で切らずに治します。注射では治せず手術が必要な場合もあります。
    痔疾患治療の基本は、軟膏・坐剤と便通の調整・生活改善です。痔だと思ったらがんということもありますので、正しい診断のうえでの治療をお奨めします。

肝胆膵外科

    腹腔鏡下胆嚢摘出術をはじめさまざまな肝切除術、膵切除術など難易度の高い手術まで幅広く行っています。

    良性疾患 : 胆嚢結石・総胆管結石・肝内結石症の治療、急性胆嚢炎の早期手術など
    悪性疾患 : 肝がん、胆管がん、胆嚢がん、膵がんなど、積極的な根治切除

    飛躍的に抗がん剤治療成績が向上している大腸がん肝転移に対しても門脈枝塞栓などを駆使して肝切除術を行い治癒をめざしています。 各分野で腹腔鏡下手術を取り入れ、手術の完成度と安全性を保ちながら、術後の負担を軽くし傷を小さくする試みを続けています。特に腹腔鏡下肝切除術や尾側膵切除術に力を入れています。
    難易度の高い手術に加えて術後合併症が比較的多い領域ですが、さまざまな工夫により安全な周術期管理を確立しています。

特徴

    各専門科と連携して、内視鏡治療から抗がん剤や放射線治療など集学的治療を積極的に進めています。
    救急センターと連携し、24時間体制で腹部救急疾患を治療しています。
    北海道がん診療連携指定病院として、地域はもちろんのこと道内の医療機関や施設から患者さんを受け入れています。

診療実績

手術実績(1-12月)  2018年 2019年 2020年
食道・胃・十二指腸
62 69 55
小腸・大腸
152 189 153
肝臓
17 26 36
胆道
133 123 122
膵臓
11 14 12
虫垂炎
54 48 41
腸閉塞
31 36 29
ヘルニア
79 71 67
肛門
35 33 22
腎・副腎 3 3 5
合計 577 612 542

学術活動・研究業績